CSR

高い倫理観をもって事業を行い、人々との信頼関係を築きながら、社会・環境の価値向上を目指します

社長メッセージ

リスクマネジメントの強化と働き方の改革をCSR重点課題として取り組みます

中期経営計画E-Plan2016 2年目の振り返り

代表執行役社長 前田 東一
代表執行役社長
前田 東一

 2015年度の事業環境は、中国の景気減速が続く一方、米国や欧州では回復傾向を示し、また日本においては公共投資が緩やかに減少したものの、民間設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、景気回復はまだら模様となりました。このような環境の下での当社グループの2015年度の事業成果は、全体としては2014年度の受注を上回り、売上高もほぼ2014年度並みを維持しました。営業利益は、精密・電子事業の大幅な伸びが連結全体の増益を牽引しました。詳しくは統合報告書2016で述べさせていただいておりますので、併せてご覧いただきたいと思います。
 本レポートでは、こうした事業活動の推進と成長を支えるために、2019年度にありたい姿の1つとして掲げている、「性別、国籍等によらず個々の従業員の能力を伸ばし最大限に発揮させるための環境の整備及び発揮された能力に相応しい対価で報いるための制度導入」の実現に向けた活動と、2016年度末までの中期経営計画に掲げている基本方針「グローバル事業展開を支える経営インフラの拡充を図ること」について報告いたします。

経営インフラとしてのリスクマネジメントの強化

 長期的なリスクマネジメントのあり方として、グループグローバルで当社グループの企業倫理を共有し、進むべき道を正しく判断できるよう、企業倫理浸透活動を継続的に行っています。同時に個社あるいは、従業員一人ひとりの業務に内在するリスクを回避又は最小化するしくみの継続的改善に取り組んでいます。
 2014年度から開始した荏原らしさ浸透活動は、2015年度までに海外グループ会社の管理職層に対し重点的に行ってまいりました。“荏原らしさ”とは、創業の精神、事業の社会的使命、事業活動を行う上での基本姿勢を示す当社グループのアイデンティティです。
 先ず、管理職層がこれを理解し実践することを目標としました。2016年度からは、海外の一般従業員層に荏原らしさの理解を深めるための活動を進めます。
 中期経営計画は荏原らしさを社会に具現化するために行う事業活動の具体的な計画と位置付けています。従業員一人ひとりが荏原らしさを実践することが会社の成長に欠くことのできないものであるとともに、荏原らしさに反する活動は当社グループの社会的使命に反することです。このことを全員が自覚し、自身の行動に責任と誇りを持てるようになることを目指しています。
 また、個社のリスクマネジメントレベルの向上を目的として、2015年度に海外グループ会社に対してリスクマネジメントガイドラインを展開しました。環境、腐敗防止、労働安全、人権など12項目についてリスクマネジメントのレベルを自己評価させ、2019年度末までの整備計画を会社ごとに策定しました。また日常業務リスクを最小化するため、2014年度に内部統制自己点検ガイドラインを展開し、内部統制体制の整備・改善を図っています。このようにグループ各社が自ら立てた計画に従ってリスクマネジメントのレベルを向上することにより、グループ全体のリスクマネジメントレベルを継続的に改善していきます。

働き方改革の推進

 グローバル事業展開を支える経営インフラとして、もう1つ重視しているのが働く環境の更なる整備です。これは、2019年度にありたい姿、「性別、国籍等によらず個々の従業員の能力を伸ばし最大限に発揮させるための環境の整備及び発揮された能力に相応しい対価で報いるための制度導入」に関わります。
 2015年度に、まず親会社である荏原製作所の女性活躍推進に関する現状把握調査を行いました。その結果、当社には日本人男性の視点で築かれた業務の進め方や風土が根強いことがわかりました。そこで、性別や国籍、多様なライフスタイルやライフステージを尊重し、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮しかつ生産性の高い職場へと変革するために、「意識と風土の改革」、「制度・環境の整備」、「業務改革、業務の見える化」を働き方改革の柱とし、ダイバーシティ宣言として発表しました。当社グループCSR方針に掲げる人権と多様性の尊重、安心・安全な働きやすい職場づくりの具現化に向けた施策を2016年度から実施します。指標の1つに管理職に占める女性の割合を設定し、2017年4月までに5%超にすることを目標とします。
 また、2015年度にキャリアマネジメントプログラムを一部の職場に導入しました。今後はこれをさらに多くの職場に展開し、従業員一人ひとりが仕事に対する長期的なビジョンをもって意欲的に働くことができる環境を整備してまいります。
 更に、今まで部門や事業所ごとに行ってきた労働安全管理に関して、全社横断的な労働安全体系や統一ルールの整備に着手いたします。

国連グローバル・コンパクトの継続支持

 荏原グループは、国連グローバル・コンパクトを引き続き支持します。先に述べました取り組みは、国連グローバル・コンパクトの4分野に関わります。
 また、SDGsが掲げる目標のうち、ポンプ事業、冷熱事業、コンプレッサ・タービン事業をはじめとする風水力機械事業は、水の供給や浄化、社会インフラの整備、エネルギー供給に関する課題解決に応えられます。環境事業は、ごみ処理による資源循環や衛生的な社会づくりに寄与することができます。精密・電子事業は、ICTの進化を支えることにより、人と人とのコミュニケーションの迅速化や様々な産業の効率化、情報へのアクセサビリティの向上等を支えて様々な社会課題の解決に寄与できると考えています。

執行役CSR行動計画の制定

 こうした、社内課題や様々な社会的課題に着実に対応していくために、2015年度に執行役CSR行動計画を策定しました。2015年度のCSR活動の重点課題は本計画に掲げた事項とし、CSR委員会で進捗状況を確認するとともに、社外取締役や、社外弁護士の第三者的な意見を加味して活動の改善指示を行うしくみとしました。
 この行動計画は、執行役からグループ会社を含む配下部門に具体的な実施計画に展開されます。
 2016年度からは、事業を通じて社会課題の解決に寄与するとともに、事業活動を支える経営インフラの面においても指標と目標をより明確にし、当社が社会に果たすべき責任と行動を継続的に改善してまいります。

SDGs: Sustainable Development Goals 国連が2015年9月に採択した17の目標と169のターゲット。