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エバラ時報 No.257

無形資産投資時代のイノベーション戦略

ターボ機械のカスタム製品における自動設計化
-パラメトリック設計を用いた遠心コンプレッサの自動設計-

 ターボ機器の設計には相似則が存在し,理論的には,機械設計の自動化は可能である。エリオットグループが製造・販売する遠心コンプレッサについて,自動設計環境を開発したので紹介する。まず,顧客からの要求仕様を設計仕様に自動的に反映させる基本設計計算プログラムを開発した。次に,詳細設計においては,標準化した部品を「固」,顧客からの要求仕様に合わせてその都度設計するものを「変」とする「固変分離」を行うとともに,フィーチャーパラメトリック3次元CADでパラメトリック設計を採用した。CADのアソシエティビティ機能によって,3次元データと2次元図面データの状態が常に相互に関連したものに保つようにした。これらをモデル中心主義と呼び,3 次元データを設計情報の中心とした。
 開発した自動設計環境によって,従来の設計時間の70 %削減に成功した。3 次元データの設計情報を製造工程で利用することで,製品品質の向上にもつながった。

密閉式無終端型嫌気性消化槽によるパームオイル工場排水の処理

 密閉式無終端型嫌気性消化槽を開発し,マレーシア国ペラ州にあるパームオイル工場に納入した。処理対象はパームオイル工場排水(Palm Oil Mill Effluent; POME)である。装置は,沈澱池を備えた容量12 000 m3 の楕円型反応槽を2 槽並列し,設計水量は1 270 m3/d,CODCr 容積負荷は4.0 kg/(m3・d),35 ℃の中温条件で運転するものである。POME 通水開始前に,2 つの流動性についての調査を行い,流動状態は良好であることが確認された。スタートアップは1 槽ずつ行い,POME の通水開始28 日目にはCODCr 容積負荷3.9 kg/(m3・d)を達成することができた。POME 全量受入時,CODCr容積負荷は2.9 kg/(m3・d),CODCr除去率は87.9 〜91.5 %(平均89.2 %),バイオガス中のメタン濃度は60.1 〜60.3 %(平均60.3 %),除去CODCr 当たりのメタンガス回収量は0.306 〜0.453 m3/kg-CODCr(平均0.357 m3/kg-CODCr),NTP の良好な処理性能を達成することができた。

「ポンプラス/PUMPlus」の紹介

 ポンプ本体で渦抑制する新形立軸ポンプ「ポンプラス/ PUMPlus」を製品化した。ポンプラスは,既存吸込水槽のままでポンプ排水量を増量,又は運転可能水位を下げた場合でも,渦抑制部材によってポンプに有害な渦を抑制する技術である。また,ポンプ本体の設置だけで渦対策できるため,土木構造物による対策工事が不要であり,工事費の削減,工事期間の短縮が可能である。

低GWP冷媒R1224yd(Z)を採用した高効率ターボ冷凍機RTBA型

 現代の生活に不可欠な冷凍空調機器で使用されているHFC 冷媒は,地球温暖化を防止するため,グローバルで総量規制が始まっており,冷凍空調機器に使用される冷媒は低GWP 冷媒へ転換していく必要がある。当社はターボ冷凍機用の冷媒に,低GWPでありながらこれまで同様の安全・安心を両立でき,冷媒に対する本質的ニーズを全て満足するR1224yd(Z)(AMOLEA® 1224yd)を採用し,ターボ冷凍機RTBA 型を開発し,2018年4 月に発売した。RTBA型は低GWPだけでなく高効率であり信頼性も高いため,環境負荷を低減し,かつ安全・安心で使いやすい冷凍機を求めるお客様に最適な製品である。また,既納入ターボ冷凍機の一部の部品を交換することによって,冷媒をR1224yd(Z)に変更できるサービスを開発している。