2019年09月02日
株式会社 荏原製作所
授賞式の様子
荏原製作所(以下:荏原)の技監※1である後藤彰は、ポンプ技術に関する開発への長年にわたる貢献が評価され、7月末に米国サンフランシスコで開催されたAJK Fluids 2019(日米韓流体工学会議)においてアメリカ機械学会(ASME)※2より、ASME Henry R. Worthington Medalを授与されました。今回、日本人として初めての受賞です。
3、4年で10倍の高速化を続ける並列計算機(スーパーコンピュータ)の進歩により、近年は大規模数値解析の産業への応用が進んでいます。しかしながら、数値解析に供すべき機械の設計は、依然として設計線図や経験則に依存する部分が大きく、設計技術の革新が求められてきました。このような状況の中、荏原は、ポンプや圧縮機などのターボ形流体機械の新たな3次元設計技術の実用化をけん引、さらにはそれを数値最適化技術と組み合わせることで流体設計技術の革新を推進してまいりました。これは、学術分野への貢献のみならず、産業界を通じて社会を支える技術の発展につながっています。
ASME Henry R. Worthington Medalは1980年に設立され、「ポンプ機械・システムおよびコンセプトに関し、研究、開発、設計、イノベーション、マネジメント、教育あるいは出版などの分野で、著名な業績を挙げたものに贈られる」とされています。
受賞理由:
・高度な数値的および実験的な研究手法の開発における成果と影響力。
・産学連携を通じた世界のポンプ機械設計技術に対する独創的な貢献。
・ポンプ機械業界での卓越した活動。
荏原は引き続き数値解析技術と設計技術の両者の革新を継続し、従来の設計概念にとらわれない製品開発に挑戦する人材の育成に力を入れてまいります。また、関連技術分野を包含する基盤技術の構築を、学協会活動における産学官連携の枠組みを通じて進めることで、ポンプをはじめとする流体機械システムのイノベーション、省エネルギー化に貢献していきます。
※1
荏原は特定技術分野の専門的知識や技術力が特に優れ、当社事業のみならず産業界を通じて社会に貢献する人物に対し、社員の最高峰の称号とし「技監」を認定しています。
※2
American Society of Mechanical Engineersは、アメリカ合衆国における機械工学学会。世界でも最も古くから規格策定を行ってきた組織。