2021年06月07日
荏原製作所(以下:荏原)と荏原環境プラントは、公益社団法人腐食防食学会(以下:腐食防食学会)の2021年度技術賞を受賞しました。
腐食防食学会は材料全般の腐食防食の研究や技術の促進、普及を目指す、国内唯一の機関です。技術賞は、腐食防食分野における技術開発や啓蒙に広く貢献した技術に対して贈られるものです。
今回の受賞内容は以下の通りです。
受賞した技術 | 「表面に凹凸(おうとつ)構造を有する耐高温エロージョン・コロージョン¹溶射被膜の開発」 |
受賞者 | 荏原製作所 技術・研究開発統括部 野口 学(のぐち まなぶ) 荏原環境プラント 共通基盤本部 石川 栄司(いしかわ えいじ) |
評価ポイント | ①表面の凹凸形状が、バイオマス燃焼環境における腐食摩耗減肉の抑制に効果的である事を発見したこと ②凹凸が自発的に発現する材料組成と製造方法を開発したこと ③開発した溶射皮膜をICFB®²層内伝熱管で実用化を開始したこと |
荏原は長期ビジョンE-Vision2030で「持続可能な社会づくりへの貢献」を重要課題として掲げています。本技術は腐食と摩耗が同時に生じる環境において、層内伝熱管の減肉量抑制に効果が期待できるため、プラント部材の延命化およびバイオマス発電による再生可能エネルギーの利用促進に貢献するものと考えます。
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
¹エロージョン・コロージョン:環境(液相や気相)の流動による「物理的な効果」と、環境の「化学的(腐食の)効果」が、複合して材料の減肉を加速する現象。
²ICFBは、荏原環境プラント株式会社の登録商標です。
参考:(公社)腐食防食学会