2022年07月04日
2021年に発表したEV-X型中負荷プロセス向けドライ真空ポンプ
荏原製作所(以下:荏原) 精密・電子事業カンパニーは、発売36年を迎えたドライ真空ポンプの出荷台数が2022年7月に20万ユニットを達成しました。
当社のドライ真空ポンプは、封止に油や液体を使用しない非接触型の真空ポンプです。荏原が独自に開発した優れた回転機械技術を応用して、半導体の製造プロセスに不可欠な一定の高真空度および清潔な環境をつくることが可能です。非接触型シール構造で劣化部品が少ないため、長いメンテナンスサイクルを実現することができます。
2021年には、半導体製造工程の中負荷プロセス向けドライ真空ポンプ EV-X型を発表しました。当社の現行機種と比べて25~50%の低消費電力を実現すると同時に、プロセスガス排気性能を向上させました。最先端メモリーデバイスの3D NANDで必要とされるHARC(深穴)工程*1や層間絶縁膜のエッチングプロセス、大流量ガス処理が必要なアッシングプロセス*2、エピタキシャル成長*3プロセスにおいて強みを発揮します。
当社の革新的な技術を持つドライ真空ポンプシリーズは最先端の半導体製造プロセス工程だけでなく、分析装置、乾燥装置、LED、リチウムイオン電池など幅広い業界に真空ソリューションを提供しています。また、全ての製品で省エネルギー化、小型化を追求し、お客さまのユーティリティコスト削減と同時にカーボンニュートラルに貢献していきます。
当社は、ドライ真空ポンプの生産を行う自動化工場V7棟を藤沢事業所内に2020年に竣工しました。新工場においては、自動化をはじめとする最新技術を導入し、機械加工から組み立て、出荷試験までワンストップで生産を行い、今後も更なる生産性向上に取り組んでまいります。
ドライ真空ポンプの累計20万ユニット出荷達成につきまして、これまでご愛顧いただきました多くのお客さまと、当社を支えていただきました協力会社の皆さまに感謝申し上げます。今後も、お客さまの課題解決とご要望に真摯に向き合い、最先端の半導体技術に適合する製品とサービス&サポートを提供していきます。
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
High Aspect Ratio Contactの略。エッチング技術で加工する孔の直径と深さの比(Aspect Ratio: AR比)で、非常に大きなAR比をHARCという。半導体装置の微細化に伴い、高精度エッチングが要求されている。
エッチングの後に不要なレジストを除去する処理。
半導体製造の薄膜結晶成長技術のひとつ。半導体の単結晶の基板上に、新しく単結晶の薄膜を成長させること。