2022年08月01日
ロケットのエンジン用電動ポンプイメージ
荏原製作所(以下:荏原)は、航空宇宙関連産業の急速な成長を受け、ロケットのエンジン用電動ポンプの開発に着手しています。
宇宙空間の商用利用が拡大するなかで、その基盤となる地上と宇宙を結ぶ新しい輸送インフラの開発が、民間企業主導で急加速しています。具体的には、小型衛星打ち上げ専用のロケット、宇宙旅行用のスペースプレーン(宇宙船)、軌道間輸送機、月面離着陸機等が挙げられます。
このような宇宙輸送手段に使われるエンジンには、基幹部品としてポンプが使われています。当社は、長年蓄積してきた回転機械技術の知見を活かし、外部機関とロケット用ターボポンプの技術サポートを行ってきた実績があります。ロケットの技術でも特に難易度が高いとされるエンジンに搭載されるポンプは、燃料と酸化剤を燃焼室に送る心臓のような重要な役割を果たしています。当社は、エンジン用ポンプの改良ならびに輸送手段の向上に貢献するため、今後の本格的な事業化に向け開発に着手しました。
- 輸送手段の推進力を生み出すため、ポンプは燃料と酸化剤をタンクからエンジン燃焼室へ送液する
- 従来のタービン駆動ポンプ*1とは異なり、駆動機に電動モータを採用。電動化することで、今後、需要拡大が見込まれる宇宙輸送インフラの分野で、宇宙空間におけるエンジンの保全性や扱いやすさ*2など新たな価値の提供を目指す
- 小型人工衛星
- 高速2地点間輸送
- 宇宙空間でのデブリ除去や物資輸送
- 月面離着陸など低重力環境での輸送
市場投入見通しは2024年以降を予定しており、将来的には有人機での搭載も視野に開発を進めています。当社は、長期ビジョン「E-Vision2030」で「進化する豊かな生活づくり」に貢献していきます。
【本件に関するお問合せ先】
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荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
高温の燃焼ガスで風車を回すことで遠心ポンプが回転し、極低温の燃料/酸化剤を昇圧する方式
推力制御が容易になる