2023年07月25日
パラジウム金属を繊維上に固定した不織布触媒
荏原製作所(以下: 荏原)は、グラフト重合技術を用いたパラジウム担持不織布触媒材料を開発しました。
機能性化学品(医薬品等)の合成には反応釜を用いる「バッチ反応」が用いられていますが、コスト、安全性、環境負荷低減などから反応液を流して処理していく「フロー反応」を用いた連続生産への転換が進められ始めています。不均一系触媒を用いた反応には、粉末状触媒を用いた反応が一般的ですが、フロー反応(連続生産)プロセスでは圧力損失が大きく液体が流れにくくなり、スケールアップが困難になります。したがって、触媒の担持方法や充填方法に工夫が求められます。
当社は、触媒の担持体として圧力損失が低く比較的表面積の大きな不織布を選び、放射線グラフト重合技術を用いてパラジウム粒子をナノサイズで不織布に担持させた触媒材料を開発いたしました。このパラジウム担持不織布を触媒とした有機化合物の水素化フロー反応を実施したところ、高収率で目的とする水素化生成物が得られることが明らかになりました。
今後、当社は開発したパラジウム担持不織布の評価および改良を進め、量産化の検討を進めてまいります。同時に協業可能なパートナーとの提携を模索しつつ、機能性化学品(医薬品等)の生産への適用ならびにフロー反応(連続生産)プロセス技術の発展に寄与していくことを目指しています。
なお、8月3日~8月4日にタワーホール船堀(東京都江戸川区)にて開催される日本プロセス化学会2023サマーシンポジウムで、本件のポスター発表および展示をいたします。
ほかに、当社の製品(小型キャンドモータポンプ、ステンレス製ミキサー)についても展示いたします。ぜひお越しください。
日本プロセス化学会2023サマーシンポジウム
こちらより詳細をご確認のうえ、お越しください。
会期:8月3日(木)~ 4日(金)
会場:タワーホール船堀(東京都江戸川区)
主催:日本プロセス化学会
本件に関するお問い合わせ先
事業・お取引等のご相談:技術・研究開発・知的財産統括部 eol-catalyst@ebara.com
取材のお申し込み:経営企画部 IR・広報課 ebr-pr@ebara.com
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。