2023年10月16日
荏原製作所(以下:荏原)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)の2023年度「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」において、研究テーマ「ガス循環によるメタンからの水素製造と二酸化炭素資源化」の委託契約を締結いたしました。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、クリーンエネルギーを活用した持続可能な地球環境を目指す取り組みが不可欠な中、次世代エネルギーとして水素が注目されています。荏原は水素を「つくる、はこぶ、つかう」サプライチェーン構築における水素を「つくる」プロセスにおいて、ターコイズ水素の製造プロセスの開発に取り組んでいます。
当社は、本プログラムが目的とする脱炭素社会の実現や新産業の創出に向けて、「エネルギー・環境分野(エネルギー・環境新技術先導研究プログラム)」の研究開発課題「革新的水素製造・利用技術の開発」において、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、高知県公立大学法人 高知工科大学、国立大学法人 東京工業大学と共同で開発を進める「ガス循環によるメタンからの水素製造と二酸化炭素資源化」を受託し、この度契約を締結しました。前回のプログラム(2021~2023年、水素利用等先導研究開発事業/炭化水素等を活用した二酸化炭素を排出しない水素製造技術開発)に続く受託となります。
本研究では、NIMS等参画機関とともに独自開発した触媒を用いた革新的なガス循環反応により、メタンと二酸化炭素の混合ガスから水素を抽出すると同時に、高付加価値炭素を製造するシステムを開発します。本システムを社会実装することにより、安価な水素価格を実現し、CCSに依存する事なく、経済合理性を担保しながら温室効果ガス濃度の低減を果たすことが可能になります。
2023年度「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に係る実施体制詳細
これまでの開発で得られた知見を活かしつつ、触媒の開発、循環プロセス開発およびスケールアップを進めていきます。また、得られる炭素種別としてカーボンブラックやグラファイトについて検討してきましたが、さらにメタン・二酸化炭素を大量に固定できる炭素種として親水性炭素についても適用先の検討を行います。
今後、「オンサイトでの水素供給」、「事業所・地域から排出・産出されるメタンや二酸化炭素の有効活用」、「本プロセスで製造可能なさまざまな固体炭素の利用」に関心ある企業・自治体との実証やフィージビリティスタディに着手していきます。
本NEDO事業代表図
当社は、ターコイズ水素製造の社会実装を目指し、長期ビジョン「E-Vision2030」で掲げる温室効果ガスの削減と脱炭素社会の実現に貢献していきます。
本件に関するお問い合わせ先
お取引等のご相談:マーケティング統括部 next.gen.energy@ebara.com
取材のお申し込み:経営企画部 IR・広報課 ebr-pr@ebara.com
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。