2023年11月01日
試験中の様子
荏原製作所は、カーボンフリー燃料として期待される液体アンモニア用インタンクポンプのLPGを用いた性能試験に成功しました。
世界的な脱炭素化の流れの中、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアを温暖化対策に有効な燃料として利用する検討が日本を中心に進められています。アンモニアの発電所での利用や大規模受入ターミナルが計画される中、当社は、アンモニア用金属タンク又はPCタンク(プレストレストコンクリートタンク)内に装備され、払出しや移送用ポンプとして使用することができる液体アンモニア専用のインタンクポンプを製造し、液体アンモニア(-33℃)に近い性状を持つLPG(-50℃)を用いて性能試験に成功しました。
今回LPGを用いて試験を行ったインタンクポンプは、タンクの内部に装備され、液体アンモニアに没液された状態で運転を行うという特徴を持ちます。試験は、アンモニアの商用利用で使用される規模と同等サイズのポンプを用いて、当社グループ会社であるElliott GroupのLPG試験場にて実施しました。実液により近い環境下で試験を実施することで、より確実なデータの取得や製品の健全性を検証することを可能としました。本製品は、燃料アンモニアサプライチェーンの普及には欠かすことのできない重要な役割を果たすことが期待されており、今後、燃料アンモニア発電や燃料アンモニアターミナルにおいて、安全かつ確実な液体アンモニア移送に貢献していきます。
火力発電所から排出される温室効果ガス(CO2)の削減を目的とした、数多くのアンモニア燃焼プラントが計画されており、無漏洩型ポンプの需要が拡大していくと予想されます。
当社は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速し、長期ビジョン「E-Vision2030」で掲げる持続可能な社会の実現に貢献していきます。
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。