2024年06月18日
荏原製作所(以下:荏原)は、公益社団法人腐食防食学会(以下:腐食防食学会)の2024年度論文賞を受賞しました。
<h3><b>1.背景と狙い</b></h3>
腐食防食学会は、材料全般の腐食防食の研究や技術の促進、普及を目指す、国内随一の機関です。論文賞は、腐食防食分野において学術上または技術上特に優れた論文の著者に対して授与されるものです。
<h3><b>2.受賞概要</b></h3>
名 称:公益社団法人腐食防食学会 2024年度論文賞
受賞論文:リン脱酸銅管の応力腐食割れに関する電気化学的研究
受 賞 者:
①株式会社荏原製作所 技術・知的財産統括部 基盤技術研究部 入江 智芳(いりえ ともよし)
② 同 八鍬 浩(やくわ ひろし)
他、社外関係者2名
受賞理由:
・銅はアンモニアを含む気相中で応力腐食割れ(SCC)を起こすことが知られており、これを解析する試験も気相中で実施されることが多い中、電気化学的アプローチが可能な液相中で銅のSCCを再現する手法を開発※した
・本成果により銅のSCC研究手法を大きく拡張する可能性を実証した
以上の点から学術的な評価も高く、論文賞にふさわしいと判断されました。
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG 重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
※ 銅(Ⅱ)をアミン錯体として5g/L含む3M アンモニア溶液中、簡便なC-リング試験片を用いて浸漬試験を行った結果、約10時間経過後に電位の上昇をともなう水酸化銅(Ⅱ)の皮膜形成が起こり、SCCに至ることを明らかにした。