荏原製作所(以下:当社)は、精密・電子カンパニーの主力製品であるドライ真空ポンプの新たなオーバーホール工場(以下:本工場)が竣工しましたのでお知らせいたします。本工場の竣工により、当社国内のドライ真空ポンプのオーバーホール工場は5カ所体制となります。
1.背景
当社は、自社が得意とする流体技術や回転機械技術を応用し、1980年代より半導体関連分野に参入しました。半導体市場は、2030年には1兆ドル(約150兆円)の市場規模になると予測されており、半導体製造現場で欠かせないドライ真空ポンプの需要も拡大しています。アフターサービスの拡充を図るべく、当社は2023年12月に本工場の建設に着工し、このたび建物の竣工を迎えました。今後、2025年4月より稼働予定です。
2.概要
半導体の基板となるウェーハを加工する工程では、不純物(気体分子など)を混入させないためにチャンバーと呼ばれる加工空間から真空ポンプで空気を抜き、できるだけ真空度を高めます。当社が手がける「ドライ真空ポンプ」は、接ガス部にオイルを用いない構造のため、水や油の逆流や拡散による汚染の心配がなく、クリーンな真空が得られます。本工場では、お客さまの工場から返ってきたドライ真空ポンプの状態を確認し、分解・洗浄・修正や部品交換・組み立て・試験等を行い、新品と同様の性能にし、再度お客さまの工場へ納入いたします。