砂漠でも水が使える

砂漠に水を届けられるか? 地球上で人間が使える「0.01%」の水を自在に動かす

「人々が生活に使いやすい水」はわずか0.01%ほど

地球は「水の惑星」と呼ばれています。表面の70%程度が水で覆われ、その総量は約14億km3。しかし、その大部分が私たちの産業や暮らしに利用できる水ではありません。地球上の水の約97.5%は「海水」で、「淡水」は2.5%ほどであり、そのなかから北極・南極にある氷や地下水などを引いた「人々が生活に使いやすい水」は、河川・湖・沼などをすべて合計しても水全体の中でわずか0.01%ほどしか存在しないのです。
このように実際に使うことができる水の量は少ないにも関わらず、私たちは水なしで生きていくことはできません。そのため世界各地では水という「資源」をめぐるさまざまな問題が起こり続けています。

地球規模の水のアンバランスと人口増加

現在もアフリカ・アジアをはじめとして25億人以上の人が乾燥地帯に住み、農業など生活の基礎となる産業のために、十分な水の確保が急がれています。水は「たくさんある国」と「ほとんどない国」、さらに水が「多い時期」と「少ない時期」が偏っており、場所や季節によって不足してしまう地域もあります。
こうした地球規模の水のアンバランスに加え、水を必要とする人間が増え続けていることも水不足の大きな要因です。2023年11月、国連は世界の人口が80億人に到達したと発表しました。これまで何とか水が足りていた地域にさらに人が増えれば、暮らすことは難しくなるでしょう。地球温暖化や人口増加などによって2050年までに世界で50億人、およそ2人に1人が水不足の状態に陥るとの試算もあります。

世界中の誰もが安心して水を使える未来を目指して

誰もが安心して水を使える未来をつくる。このチャレンジに荏原製作所は1912年の創業当時からの主力製品である「ポンプ」をはじめとした水を運搬する装置で取り組んでいきます。
日本の上下水道・農業用水に貢献してきた当社の技術を軸に、世界の水が足りている場所から足りない場所に水を運ぶことで、水資源問題の解決に繋げていきます。人がそこにいる限り、荏原は砂漠でも水を届けます。広大な水インフラの構築を目指していきます。時には国境を越える様な長距離の水運搬になるかもしれませんが、その時は、今までにない新しいポンプを開発します。また、海外でポンプを利用する人々は、これまで主に国内を拠点に事業を行ってきたインフラカンパニーにとっては未知の価値観を持ったお客さまになるかもしれませんが、私たちの対応は変わりません。
荏原の「マーケットイン」の方針は、世界の土地・文化・気候、そして多様な人々の生活と向き合う決意の表れでもあるのです。