ラスベガス湖水取水ポンプ(アメリカ)

世界最大級のポンプで、大都市ラスベガスの生活を守っています

アメリカ ネバダ州最大の都市ラスベガスは「砂漠の中の都市」とも言われており、その生活用水は48kmも離れたフーバーダムのダム湖(ミード湖)から送られています。このフーバーダムの水位低下(2000年当時から約150ft)はアメリカの大きな社会問題になっています。

ダムからの取水のために3つの取水ポンプ場(IPS1~IPS3)が稼働していますが、ポンプ場が追加される度に、より深い位置からの取水が要求され、高度な技術を要する特殊なポンプが必要となりました。荏原はIPS2とIPS3の2つのポンプ場にポンプを納入しました。IPS2では立軸斜流多段ポンプが採用されています。満水の時の湖面よりも67m下の水を汲み上げる仕様で設計されており、床下全長88mのポンプはインフラカンパニーが納入した立軸斜流ポンプの中で最長の長さです。

IPS3では、世界最大級の出力3351HP(2500kW)の水中モーターポンプが採用されています。満水時の湖面より100m下の水を汲み上げる仕様で設計されており、水中モーターポンプは地上から約140mの位置に設置され、垂直のパイプを介して地上へ水を汲み上げます。このポンプは羽根車を両吸込み単段構造にするという独自の方法により、回転速度を上げて高い吸収性能と高揚程を実現しています。荏原はこれまでもネバダ州水道局に多くの大型送水ポンプを納入しており、この湖水取水用途においても高い評価を得ています。