南水北調プロジェクト (中国)

中国の水不足を解消する、大運河を建設する世界有数のプロジェクトに参加

中国の「南水北調プロジェクト」は、華北地域の慢性的な水不足を解消するために中国南方地域の水を北方地域に送るという、中国国家における巨大プロジェクトに位置づけられています。総投資額は約5,000億元(約10兆円)とも言われ、その規模は史上最大の工事の1つとされています。「東線」、「中央線」、「西線」の3つの大運河を建設して(各1,000km以上)長江流域の水を北京・天津を中心とした受水区に運ぶ壮大なプロジェクトです。
私たち荏原が携わった東線ルートは、江蘇省揚州付近から長江の水を大運河や同方向の河川に沿って北へ送り、山東付近で立体交差させて黄河を通って最後に天津へと送るという約1,150kmにもおよぶ送水計画でした。インフラカンパニーは東線ルートの各種ポンプ場の内、羽根車の外径が3mにもなる大型チューブラポンプを各5台、2機場に納入しました。また一部のポンプは洪水時の分水機能を要求されており、ポンプの運転方式に柔軟性と効率性が求められるものでした。約10年の歳月をかけてすべてのポンプ場を完成させ、南水北調東線プロジェクトで北部への水供給が常時可能となりました。中国北部地域の水不足を緩和させ、広大な大地が潤い、何十もの都市の水源として地域の暮らしの安定と発展へとつなげています。