取締役 代表執行役社長 CEO & COO 浅見 正男
荏原グループは、創業以来110年以上にわたり、時代時代の社会で、不便、不足など顕在化していない「不」をいち早く見出し、高い技術力を駆使して解決することで事業を継続・拡大させてきました。
2023年2月に発表した中期経営計画「E-Plan2025」は、長期ビジョン「E-Vision2030」の”2030年にありたい姿”からのバックキャストと、前中期経営計画「E-Plan2022」の課題を受けて策定しました。プロダクトアウトからマーケットインの視点での取り組みを加速するため、「顧客起点での価値創造=起業化」をテーマに、それぞれのセグメントで更なる競争力強化を進めています。
中期経営計画の初年度である2023年12月期は、全てのセグメントで増益となり、連結合計で過去最高益を更新することができました。実績としてはROIC12.2%、ROE15.7%、営業利益率11.3%、売上成長率CAGR11.5%といずれも前期を上回りました。2024年においては成長投資、基盤投資を実行するため2023年の実績をやや下回りますが、引き続き高水準の財務数値を維持する計画です。
E-Plan2025の重点領域に対する進捗については、2023年1月より従来の製品別組織から対面市場別組織に移行し、CxO制を導入しました。各セグメントで組織の一体化を進め、それぞれが対面する市場の「不」を解決するための取り組みを加速させてきました。その成果として例えば、従来は製品ごとの営業担当が同一のお客様へ個別に提案をしていましたが、窓口を集約することでお客様への提案力が強化され、同一のお客様から複数製品を同時に受注するなどのシナジーを創出しています。
「新たな価値の創発」としては、製品軸から対面市場別組織への移行により集結させた複数の製品ノウハウを活かし、顧客起点でのソリューション開発や、世界初となる水素関連製品、液体アンモニア用キャンドモータポンプをはじめとした新エネルギー向けの製品開発を行ってきました。
「ESG経営の深化」としては、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、削減貢献量を含めた温室効果ガスの削減施策の検討を進めています。また、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)部門を設置し社内での浸透を図っているほか、女性管理職比率や男性育児休業取得率の向上など人的資本経営の強化も進めてきました。
荏原グループは、今後も持続的な成長機会をグローバルなマーケットインの視点で捉え、SDGsをはじめとする社会課題の解決に事業を通じて貢献するとともに、企業価値の最大化に取り組んでまいります。今後も事業を通じて更に社会に貢献していくために、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係をしっかりと築きながら、これからも技術で、熱く、世界を支えていきたいと考えております。
皆さまのより一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024年4月