松岡 慶* Kei MATSUOKA
今泉 隆司* Takashi IMAIZUMI
*
荏原環境プラント㈱
当社独自技術である無破砕型流動床焼却施設の基幹的設備改良工事において,緩慢燃焼方式や排ガス再循環による低空気比燃焼技術を導入した。燃焼空気比1.27 での運転では,排ガスCO 濃度は2.4 ppm,NOx 濃度は約20 ~ 25 ppm と,最新の新設焼却炉と同等以上の低空気比・低CO・低NOx 運転が可能であることが示された。本稿では,この事例を通じて流動床焼却技術の性能及び特長について技術的な側面から解説するとともに,それらを生かした今後の流動床焼却施設のポテンシャルについての展望を述べる。
In the course of equipment improvement work of a non-shredding type fluidized-bed incineration facility, which is an original technology of EBARA, a low excess air ratio combustion technology composed of a slow combustion system and exhaust gas recirculation has been introduced. During operation with a combustion air ratio of 1.27, the CO and NOx concentration of the exhaust gas were 2.4 ppm and approximately 20 to 25 ppm respectively, demonstrating operation performance comparable to or higher than the latest, newly constructed incinerators, with a low excess air ratio and reduced CO and NOx concentrations. In this paper, the performance and features of the fluidized-bed incineration technology is explained from a technological perspective by taking the above case as an example, and a future outlook on the potential of fluidized-bed incineration facilities is presented.
Keywords: Fluidized-bed, Waste incinerator, Low excess air ratio, Combustion control, Exhaust gas recirculation, Carbon monoxide, Nitrogen oxides
旋回流型流動床焼却炉(TIF:Twin Interchanging Fluidized-bed)は,1984年に市場投入された当社独自の技術であり,その派生型である内部循環流動床ボイラ(ICFB:Internally Circulating Fluidized-bed Boiler) 等を含めて,これまで国内110施設,海外37施設の納入実績を有している。
近年では,流動床ガス化溶融システム(TIFG:Twin Interchanging Fluidized-bed Gasifier)の運転実績に基づく低空気比燃焼と排ガス再循環技術を導入した「次世代型流動床焼却炉」 1)へと高機能化させており,燃焼安定性の向上と,高効率発電並びに蒸発量・発電量制御の両立を実現している。既報 2),3)のとおり,この技術を適用した最新の都市ごみ焼却発電施設の納入事例では,ごみ処理を安定に行いつつ送電量変動を抑えた運用を順調に継続している。
今般,この「次世代型流動床焼却炉」で導入した低空 気比燃焼と排ガス再循環技術を,既設の無破砕型流動床 焼却施設の基幹的設備改良工事(延命化工事)に適用し,優れた燃焼安定性を実現することができた。
本稿では,この事例を通じて流動床焼却技術の性能及び特長について技術的な側面から解説するとともに,それらを生かした今後の流動床焼却施設のポテンシャルについての展望を述べる。
流動床焼却炉とは,炉内に充填した流動媒体(珪砂など)の下部から空気(流動化空気)を送って流動層を形成し,その層内で処理物を焼却処理するものである。なお一般に,処理物の燃焼反応は流動層内では完結しないため,流動層上部に設けたフリーボード部に二次空気を供給することで,未燃分を完全燃焼させる。
流動床焼却炉の特長として,流動層ゆえの温度の均一 性や優れた伝熱特性によって,汚泥やスラッジ等の低発 熱量処理物から,廃油や廃プラスチックなどの高発熱量 処理物まで1つの炉で混焼処理可能なことが挙げられる。そのため当社においても,当初は雑多な処理物を対象とする産業廃棄物向けの流動床焼却炉から市場参入した経緯がある。その後,都市ごみ焼却分野へ進出するにあたり,大型化の要請に対応するために開発したのが,現行の主力機種の一つであるTIF(図1)である。
TIFでは,流動層の中央部と周辺部で流動化空気の空塔速度に差をつけることによって,流動層内に流動媒体粒子の旋回流を生じさせている。この旋回流がごみの破袋・破砕効果や層内への飲み込み効果を高めるとともに,不燃物の安定排出を促進している。さらに,層内での粒子攪拌効果が強いため,多様な処理物であっても十分に混合し均一な燃焼反応場を形成できることが大きな利点である。
図1 旋回流型流動床焼却炉(TIF)
近年の“地域分散型電源”としての都市ごみ焼却発電施設への期待の高まりとともに,ごみ焼却技術に係る研究開発においては,低空気比燃焼,高温高圧ボイラ,乾式高度排ガス処理など,高効率発電に資する要素技術開発の重要性が増している。特に,低空気比燃焼の導入は, ボイラ効率の向上による発電出力の増加と,送風機等の所内消費動力の低減によって,送電出力の最大化に直接的に寄与する。加えて,排ガス量の低減によって,ボイラ等の余熱利用設備や排ガス処理設備等の設備コストの低減にもつながるため,その導入効果は非常に大きい。
流動床焼却炉は,炉がコンパクトにでき,発電量制御がしやすいといった利点がある一方で,燃焼反応が速いため,ごみ質や給じん量(炉へのごみ供給量)の変動が燃焼の変動に直結しやすい。そのため,低空気比運転を行った場合,CO(一酸化炭素)のピークが出やすいという傾向があった。
したがって,流動床焼却炉における低空気比燃焼においては,炉へのごみの定量供給性を向上させることが肝要となる。そのため,前記の「次世代型流動床焼却炉」を採用した最新施設では,ごみの粗破砕システムとダブルピット方式(受入ごみと破砕ごみを別々に貯留)を採用し,粗破砕によってごみを均質化した上で炉に供給することで定量供給性を向上させている。
ところで,流動床炉において燃焼反応が速いのは,炉に供給されたごみが高温の流動媒体と接触すると,流動層ゆえの高い伝熱特性によってすばやく温度上昇し,急速に熱分解・燃焼反応を起こすことに基づいている。
一般に,流動層の温度(炉床温度)は,砂中空気比(ごみの燃焼に必要な理論空気量に対する流動空気量の比率)が1に近づくほど上昇する傾向がある。そのため,砂中空気比を従来よりも低減して炉床温度を低くするとともに,可能な範囲で流動化速度を抑制することによって,ごみの熱分解・燃焼反応を緩やかにし,燃焼変動を抑制することができる。その結果,低空気比運転を行ってもCO ピークの発生を抑えて安定な運転を行うことができる。これが緩慢燃焼方式である。
緩慢燃焼方式の導入は,押込送風機の動力削減にも直結するため,消費電力の低減等によるCO2 排出量の削減が求められる既存施設の基幹的設備改良工事(延命化工事)において特に効果的な手法となる。そこで当社では, いくつかの既設流動床焼却施設の延命化工事に際して,この緩慢燃焼方式を導入することで,燃焼安定性の顕著な改善効果が得られることを確認してきた 4)。具体的には,無破砕ごみを処理している比較的小規模な施設(約40t/24h規模)であっても,燃焼空気比を適正に保つことによって,炉床温度を十分に低下させた上で,CO ピークの発生を抑制した安定な運転を行いつつ,消費電力を20~30%削減することができた。
当社の経験では,無破砕でごみを処理している流動床 焼却炉においては,1炉あたりの処理規模が大きくなるほどごみ供給量の変動率(ごみ供給量の平均値に対する変動幅の割合)が低下する。したがって,より規模の大きな施設では,緩慢燃焼方式を導入することによって,無破砕のままであってもこれまで以上の低空気比安定運転が達成できると期待される。
ただし,低空気比運転を行う場合,単に供給空気量を低減しただけでは,炉出口温度が過度に上昇し,サーマルNOxの発生や炉壁へのクリンカ付着,ボイラ伝熱面への灰付着等を引き起こす可能性がある。また,低空気比化による二次空気量の減少は,フリーボード部における 混合攪拌効果を弱め,完全燃焼を阻害する可能性がある。これらの問題に対しては,フリーボード部へ排ガス再循環を行うことが効果的であり,後で述べるように,未燃分の完全燃焼や無触媒脱硝反応に好適な温度場を均質に保持できるため,CO及びNOxの顕著な低減効果も期待できる。
以下では,前節で述べた考え方に基づいた無破砕型流動床焼却炉の基幹的設備改良工事(延命化工事)の最新事例を紹介する。この事例では,緩慢燃焼方式及びフリーボード部への排ガス再循環の導入によって,従来の流動床炉よりも低空気比・低CO・低NOxでの安定運転を達成するとともに,消費電力の削減並びに発電量の増加を目的とした設備改良を行った。
この事例における設備改良工事前後の運転状況の比較を表に示す。改良工事前後でごみ処理量及びごみ発熱量に大きな変化はないが,全体空気比は約1.8から約1.4に低減し,またボイラ蒸発量は13.4t/hから14.7t/hへと増加している。
設備改良工事前後のボイラ出口空気比と排ガスCO濃度,NOx濃度の関係を図2に示す。CO濃度[図2(a)]については,改良工事前はボイラ出口空気比が約1.8を下回るとCO濃度が顕著に増大する傾向が見られたが, 改良工事後はボイラ出口空気比を約1.25~1.5とした運転においても,CO濃度は低く保たれている。またNOx濃度[図2(b)]については,ボイラ出口空気比の低下に伴い直線的に減少する傾向がある。本施設では触媒脱硝塔は設置されておらず,また焼却炉のフリーボード部への尿素・アンモニア等の脱硝剤噴霧も行われていないが,改良工事後はボイラ出口空気比を1.25~1.3程度まで下げることで,NOx濃度=20ppm台での運転も可能となっていることがわかる。
設備改良後のボイラ出口空気比,CO濃度,NOx濃度の推移(12時間分)を図3に示す。この期間における平均空気比は1.27と最新の新設焼却炉と同等以上のレベルであり,無破砕の流動床焼却炉としてはこれまでになく低い数値であるが,CO濃度は平均2.4ppmでピークの発生も抑制されている。また,NOx濃度も約20~25ppmと,非常に低い値で推移している。
図4に本事例における改良工事前後の発電量,消費電力及び売電量の比較を示す。これらは2炉運転時の平均的な値であり,消費電力には建築設備・照明・粗大ごみ処理施設の消費電力を含んでいる。改良工事の前後で発電量は約3040kWh/hから約3690kWh/hへ増加している一方,消費電力は約2090kWh/hから約1730kWh/hへと減少している。結果として,改良工事前後で売電量は約950kWh/hから約1960kWh/hへとほぼ2倍に増加している。改良工事前後の年間CO2排出量削減率としては,約46.3%を達成している。
なお,本事例においては改良工事前後で廃熱ボイラの 蒸気条件[2.65MPa(abs)× 290℃]は変更していない。仮に廃熱ボイラ等も更新し,最新の新設施設における一般的な蒸気条件[4.0 MPa(abs)× 400℃]を採用したとすれば,約5260kWh/hまで発電量を増大できる。この場合,売電量は約3630kWh/hとなり,売電量の増加によるCO2排出削減量が改良工事前のCO2排出量を上回るため,年間CO2排出量削減率は約120%に達するとの試算結果を得ている。
単位 | 改良前 | 改良後 | |
ごみ処理量 | t/(d・炉) | 128 | 127 |
ごみ発熱量 | MJ/kg | 2070 | 2090 |
炉床温度 | ℃ | 592 | 572 |
炉頂温度 | ℃ | 889 | 911 |
炉床面積 | m2 | 10.6 | 8.6 |
炉床負荷 | kg/(m2・h) | 504 | 610 |
砂中空気比(平均) | − | 0.53 | 0.49 |
全体空気比(平均) | − | 1.81 | 1.41 |
ボイラ蒸発量 | t/h | 13.4 | 14.7 |
図2 設備改良前後のCO濃度・NOx濃度の比較
図3 ボイラ出口空気比,CO濃度,NOx濃度の推移
図4 発電量及び消費電力の比較
繰り返しになるが,流動床焼却炉においては流動層の内部でごみの燃焼反応が完結するわけではなく,フリーボード部に二次空気を供給することによって未燃分の完全燃焼が図られる。この際に,流動層部の還元雰囲気中で生成されたCOやNH3等がフリーボード部において還元剤として作用することによって,脱硝反応が効果的に進行する。それゆえ,流動床焼却炉での低空気比運転における排ガス再循環の導入は,フリーボード部における混合攪拌効果を高めることで前記の燃焼・脱硝反応を促進させる上で重要な役割を果たす。したがって,既設流動床焼却炉へ新たに排ガス再循環を導入するにあたっては,これらの燃焼・脱硝反応に好適な温度域の反応場をできるだけ均質に保持できるようにすることが望ましい。そのための設計上及び運転上の配慮として,再循環ノズルの配置や各ノズルからの風量バランス等を最適化することが重要である。
設計検討の一例として,前記事例における燃焼シミュレーションによる事前検討の結果を図5に示す。この計算ではフリーボード部だけを計算対象領域とし,流動層部から発生する未燃ガスがフリーボード部において総括一段反応で燃焼すると仮定して,炉内温度分布[図5(a)]や未燃ガス濃度分布[図5(b)]等の評価を行っている。ここで,図5(a)及び図5(b)においては,ともに左側が改良工事前(空気比約1.8,排ガス再循環なし),右側が改良工事後(空気比約1.4,排ガス再循環あり)の条件を示している。
燃焼ガス流路の各断面を見ると,改良工事前の条件では,局所的な高温場(赤丸部)において未燃分がすり抜けていることが分かる。一方,改良工事後の条件では, 再循環ノズルの位置及び風量バランスの適正化によって,断面内の温度分布が均一化され,排ガスの流れ方向(下方から上方)に沿って均質に未燃分が減少していることが分かる。
図6 は本事例における改良工事後にフリーボード各部でのCO濃度・NOx濃度を実際に測定した結果である。
CO濃度・NOx濃度ともにフリーボード下段から中段, 上段にかけて段階的に低減しており,図5に示した燃焼シミュレーション結果を裏付けている。本事例におけるフリーボード部の実測温度は下段で約900℃,出口で約870℃であることから,未燃分の燃焼反応(850℃以上)及び無触媒脱硝反応(850~950℃)が確実に進む温度域の滞留時間を十分に確保することが,CO及びNOxの同時低減を達成する上で重要であることを示している。また運転管理上は,ごみ質(ごみの発熱量)の変動に対してもフリーボード部の温度が変動しないよう,再循環排ガス量を適切に制御することが,NOxピークの発生抑制において効果的であるとの知見を得ている。
なお,上記のシミュレーション事例では計算が比較的簡便な総括一段反応モデルを用いているが,CO及びNOxの更なる低減に向けては,素反応モデルによる詳細解析が有効である。本稿では紙面の制約上割愛するが, 現在設計検討を進めているいくつかの改良工事案件においては,素反応モデルを用いた燃焼解析によって,二次空気及び再循環排ガスの吹き込み方法の最適化検討を行っている。
図5 燃焼シミュレーション結果
図6 プロセス各部でのCO・NOx濃度の推移
本稿では,都市ごみの既設無破砕型流動床焼却施設において,緩慢燃焼方式や排ガス再循環による低空気比燃焼技術を導入することによって,最新の新設焼却炉と同等以上の低空気比・低CO・低NOx運転が可能であることを紹介した。
都市ごみ焼却分野において流動床焼却炉が採用された当初,ごみを流動床内で安定に焼却処理するためには,前処理としてごみの破砕が必須とされていた。このことは,一般にごみの破砕を必要としないストーカ式焼却炉に対して弱点となることから,当社ではいち早く無破砕型の流動床焼却炉を開発し市場投入してきた経緯がある。今回,そうした無破砕型の流動床焼却施設の基幹的設備改良工事において,新設のストーカ式焼却施設と同等以上の燃焼安定性を達成できたことは,流動床焼却技術の将来を考える上で大きな意義があるものと認識している。
日本国内の都市ごみ処理についてみると,今後の人口減少や自治体の財政難などの社会環境の変化に加え,温暖化対策の強化の観点からも,経済合理性を有し,かつエネルギー回収効率の高い方法を追究する必要が高まっている。実際,自治体が保有する都市ごみ焼却施設において,地域で発生する産業廃棄物や,し尿汚泥や下水汚泥等の低発熱量廃棄物の混合処理を行う事例が増えつつある。このような発熱量や性状の異なる様々な処理物の混合処理に対しては,流動床焼却炉の採用が好適であり,将来の処理物の質や性状の変化に備える意味でも,有用な方策となるであろう。
さらに,欧州等で見られるように,中小規模の自治体では焼却施設を設置せず,ごみの選別施設や機械的・生物的処理プロセス(MBT)だけを配置する形態も,今後ごみの経済的な広域処理を実現する上での選択肢の一 つとなるであろう。この場合,中小規模の自治体においては金属類など循環資源の選別や有機性廃棄物の発酵処理だけを行い,選別後の可燃性残渣は「ごみ由来燃料」として大規模焼却発電施設に輸送して処理される。当社では,欧州をはじめとする海外に多数の流動床焼却設備の納入実績を有しているが,その中にはこうした「ごみ 由来燃料」を燃料とする施設も含まれている。それらの施設は現在も複数国で稼動しており,最大規模の施設としては,国内を大幅に上回る熱入力90MW(ごみ由来燃料発熱量12MJ/kgで1炉あたり650t/d,都市ごみ相当発熱量9.5MJ/kgでは1炉あたり820t/d相当)の大型炉も運用されている 5)。選別によって発熱量が高くなった廃棄物から高効率で熱回収でき,かつ汚泥等性状の大きく異なる廃棄物との混合処理にも柔軟に対応できる流動床焼却炉の優位性を最大限に活用した事例である。
また,電力自由化による発送電分離の完全施行によって,廃棄物焼却発電施設を地産地消型のエネルギー供給施設として捉える動きが活発化している。こうしたニーズに対しては,まずは計画どおりの送電量を安定して達成できることが基本機能となる。さらに今後は負荷応答性を高め,地域内の電力需要や他の再生可能エネルギー電源(太陽光・風力等)の出力変動に応じて送電出力を追随させることで,施設運営の経済性を一層高めていくことが期待される。特に必要とされる場合には,前述の当社納入事例 3)と同様,ごみの粗破砕システムを導入して定量供給性及び燃焼安定性を可能な限り高めることによって,精緻な送電量制御を実現していく方策が有効となろう。
さらに,余剰能力のある焼却発電施設では,平時は地域の再生可能エネルギー資源である林地残材等のバイオマス資源を燃料として取り込むことで施設の稼働率を高めることも考えられる。この場合,災害発生時にはその余剰能力を災害廃棄物の処理に充てるという運用も可能である。そうした柔軟な運用を実現する上でも,多様な処理物の混合処理に適するという流動床炉の特長は生かされるはずである。
焼却施設の機種選定に関しては,ストーカ炉か流動床焼却炉か,また流動床焼却炉においても,破砕すべきか否か,といった二者択一の議論がなされることが多い。しかし,これからの人口減少社会においては,適切な社会資本ストックを無駄なく整備していくことが求められる。そのためには,施設計画の段階において,施設に要 求される機能をそのライフサイクルにわたって経済的かつ効率的に達成できる技術を選定していくことが重要になる。そうした視点からは,海外での事例 5)にも見られ るように,ストーカ炉と流動床焼却炉など特徴の異なる 複数機種の焼却設備を同一施設内や同一地域内に併設することも一案となる。すなわち,処理物の性状に応じて 異なる機種の焼却設備を使い分けることによって,経済的な施設運用が長期にわたって継続できるよう,柔軟に役割分担を図っていくことが求められるであろう。
1) 岡本有弘ほか:TIF 型炉による次世代型流動床ごみ焼却技術, エバラ時報243,pp.3-8,(2014).
2) 安倍真也ほか:平塚市向け「次期環境事業センター整備・運 営事業」の竣工と運営事業の開始,エバラ時報243,pp.29- 34,(2014).
3) 岡本有弘:次世代型流動床高効率ごみ発電施設技術について
~平塚市「環境事業センター」の運転状況報告~,エバラ時報249,pp.03-07,(2015).
4) 成田敬治ほか:既設流動床焼却施設の基幹的設備改良工事− 水噴霧式排ガス冷却施設の事例−,エバラ時報244,pp.24-28,(2014).
5) 三好敬久:欧州における流動床焼却炉の運用状況 国都市清掃研究・事例発表会講演論文集,pp133-135,(2013).
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