エリオットグループは,遠心式多段圧縮機75台,遠心式単段圧縮機1台,合計76台の圧縮機を出荷した。仕向け地別の出荷台数は,アジア49台,中近東13台,北南米6台,ヨーロッパ8台である。
図1は,中国で新設されるエチレンプラントの分解ガス圧縮機(Cracked Gas Compressor)の連結機能試験の様子である。
分解ガス圧縮機は,分解炉で熱分解されたナフサ及びガス・オイルなどの炭化水素をガス分留装置に送り込むために使用される。分留装置では,石油化学基礎製品(エチレン,プロピレン,ブタジエン,ベンゼン,トルエン,キシレンなど)に仕分けされ,化学製品になっていくことから,遠心多段圧縮機(図1)はエチレンプラントの基幹機器であると言える。圧縮機は,良好な機能試験結果を確認後,出荷した。
図1 中国向け遠心多段圧縮機 連結機能試験(型式70MD2-2+70M4I+46M4/4I) Fig. 1 String test for multi-stage centrifugal compressor for China (Model 70MD2-2+70M4I+46M4/4I)
[エリオットグループ]
エリオットグループは,石油精製・石油化学プラントのプロセスガス圧縮機駆動用と発電プラント向けに13台の多段蒸気タービンと2台のガスエキスパンダーを出荷した。仕向け地別の出荷台数は,アジア5台,中近東5台,北南米3台,アフリカ2台(ガスエキスパンダー2台)である。
図1は,中国向け遠心式圧縮機駆動用多段蒸気タービン(型式 SNV-9)である。カムリフトタイプのマルチガバナバルブを備える大出力復水型タービンであり,回転数制御によって圧縮機の幅広い運転レンジに対応することができる。また,高圧・高温の蒸気に対応するため,高圧ケーシングを採用している。
図1 中国向け多段蒸気タービン(型式 SNV-9) Fig. 1 Multi-stage steam turbine for China (Model SNV-9)
[エリオットグループ]
IoT,車載向けの半導体市場が成長を続けており,これらの製品製造は200 mmウェーハが使用され,生産も拡大している。200 mm用半導体製造装置の需要も高く,従来機種をリニューアルしたCMP装置F-REX200M2型(図1)を開発した。
F-REX200M2型は,市場において従来機種によって既に証明された高い信頼性と優れたプロセス性を備えているクリーンルーム設置型のCMP装置である。
特長
(1)ドライイン/ドライアウト
(2)優れたプロセス性能と生産性の向上
(3)1テーブル1ヘッドコンセプトによる高いプロセス信頼性
トップリング数 | 2 |
ターンテーブル数 | 2 |
洗浄ユニット数 | 4 |
図1 CMP装置 F-REX200M2型 Fig. 1 CMP system model F-REX200M2
各種分析機器や電子顕微鏡等の理化学機器向けに,日本及び欧米諸国で販売を行ってきた小型空冷ドライ真空ポンプPDV型の後継機として,EV-PA型(図1)の販売を開始した。EV-PA型はPDV型同様に小型軽量で持ち運びが可能であることを特長とし,ポンプモジュールの内部構造及び配置の見直しによるさらなる信頼性能向上と,操作パネル配置の見直しによる操作性の改善を実現した。
EV-PA型の主な仕様及び特長は,以下のとおりである。
特長
(1)電源だけで運転可能(冷却水不要)
(2)小フットプリント
(3)軽量で持ち運びが容易
(4)パネル操作性を向上
型式 | EV-PA50 | EV-PA250 | EV-PA500 | |
排気速度 | L/min | 50 | 230 | 500 |
到達圧力 | Pa | 20 | 0.5 | 0.5 |
サイズ (W×L×H) |
mm | 175×248×192 | 189×482×253 | 189×482×272 |
重量 | kg | 9 | 16 | 21 |
消費電力 | W | 230 | 240 | 270 |
電源仕様 | DC24 V | AC100-230 V | AC100-230 V |
図1 ドライ真空ポンプEV-PA250/500型 Fig. 1 Dry vacuum pump model EV-PA250/500
グローバル市場向け基幹製品として,2018年4月に両吸込み渦巻ポンプCB型(図1)を発売した。
本製品は,新型高効率タイプの流路を採用し,中国国家標準規格(GB19762-2007)の省エネルギー評価値η3を達成した。これによって,海外市場での製品の差別化が可能になり,ユーザは高効率製品をより選定しやすくなった。
ポンプケーシング,主軸,メカニカルシール,軸受サイズの設計を見直し,構造を最適化した。
仕様
口 径:125~400 mm
モータ出力:2.2~1000 kW
吐出し量 :最大48 m3/min
全 揚 程:最大160 m
図1 両吸込み渦巻ポンプCB型 Fig. 1 Double suction centrifugal pump model CB
2015年3月に欧州を起点にステンレス製立形多段ポンプEVMS型(図1)の販売を開始した。本ポンプは羽根車のデザインを一新し,羽根車の多段化に伴い発生する多大なアキシャルスラスト力の抑制に成功している。
近年,ボイラ給水市場において,給水設備の小型化(給水側タンクの設置高さの低位化)を目的に,ポンプ吸込み性能改善の需要が増えている。この背景のもとEVMS型のLow NPSH仕様を開発し,対応を開始した。
特長
(1)一段目に特殊な羽根車を採用し,吸込側流路を形成する下部ケーシング・一段目中間ケーシングを吸込み性能の改善を図る最適な形状にした。
(2)上記設計変更により,モデル別に最大で1.8 m~4.7 mのNPSHR改善を達成した。
仕様
口 径:25~50 mm
モータ出力:0.37~18.5 kW
吐出し量 :最大500 L/min
全 揚 程:最大250 m
図1 立形多段ポンプEVMS型 Fig. 1 Vertical multi-stage pump model EVMS
当社の汚水汚物用水中ポンプDL型及びDML型において,従来よりも高効率なモータを搭載したDL3型(図1)及びDML3型(図2)をグローバル市場向けに2018年9月から販売開始した。
近年の水中ポンプ市場における高効率モータの需要に応えるため,モータ効率を向上させた製品をラインナップすることによって,競争力を強化した。
モータ効率は,固定子,回転子鉄心及び巻線について最適化設計を行うことにより,国際規格IECに規定されるIE3クラスを達成している。
仕様
DL3型
口 径:65~300 mm
モータ出力:1.5~45 kW
吐出し量 :最大14 m3/min
全 揚 程:最大51 m
異物通過径:40~88 mm
DML3型
口 径:80~150 mm
モータ出力:2.2~22 kW
吐出し量 :最大5.5 m3/min
全 揚 程:最大41 m
異物通過径:76 mm
図1 汚水汚物用水中ポンプDL3型 Fig. 1 Submersible sewage pump model DL3
図2 汚水汚物用水中ポンプDML3型 Fig. 2 Submersible sewage pump model DML3
立軸斜流二相ステンレス鋼製缶ポンプ(図1) 4台
口径:1000 mm
要項:170 m3/min×53.2 m×1990 kW
バーレーンのLNG受入基地に納入された気化器海水ポンプである。バーレーンでは大型のLNG船が接岸できる港がないため,沖合約4 kmの海上の受入基地にLNG船が接岸される。そこで受け入れたLNGは,本ポンプが汲み上げる海水により気化されパイプラインでバーレーン国内へ輸送される。したがって,本ポンプの設置場所は海上プラットフォーム上となる。
本ポンプは海上プラットフォームに設置される立型ポンプとしては,当社の実績で最大口径のポンプである。
設計段階では,最新の解析技術を用いて,ポンプ設置場所周辺のプラットフォームの強度やポンプの振動を検討した。また,波浪によるプラットフォームの揺れも考慮した設計になっている。
耐海水性を考慮して接水部の材質はスーパー二相ステンレス鋼の製缶で製造されており,ポンプへの海洋生物付着を防止する目的で,次亜塩素酸を注入するパイプを備えていることも特徴である。
図1 1000 mm 立軸斜流二相ステンレス鋼製缶ポンプ Fig. 1 1000 mm vertical mixed flow duplex stainless-steel can pump
立軸斜流ポンプ(図1) 2台
口径:2600 mm
要項:73500 m3/h×140 kPa×4150 kW
100万kWの出力を有する石炭火力発電所向け大型循環水ポンプである。
水中軸受にゴム軸受と特殊樹脂軸受を用いて無注水仕様としている。取扱液が海水であることから防食対策として,常時没水するポンプケーシングにはニッケルを添加した鋳鉄を採用し,インペラ,主軸にはステンレス鋼を用いている。さらにポンプ内部に犠牲陽極を多数設置して防食性能を高めている。ケーシングに海洋生物の付着を防止する特殊塗料を塗装していることも特徴である。
図1 2600 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 2600 mm vertical mixed flow pump
立軸斜流ポンプ(図1) 1台
口径:1800 mm
要項:512 m3/min×13 m×1670 kW
水中軸受にセラミック軸受,軸封部に無注水メカニカルシールを採用した無注水仕様の大口径雨水排水ポンプである。
都市部の豪雨による異常出水時は,ポンプ取扱液中に土砂やゴミが混入するが,セラミック軸受は耐スラリー性に優れるため,摺動部品の消耗が少なく,メンテナンス周期を長くすることができる。軸に取り付けたファンによってポンプのスラスト軸受を自ら冷却して運転中の温度上昇を防止している。
図1 1800 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 1800 mm vertical mixed flow pump
立軸斜流ポンプ(図1) 1台
口径:2000 mm
要項:555 m3/min×8.5 m×1200 kW
水中軸受に特殊樹脂軸受,軸封部に無注水メカニカルシールを採用した全速全水位先行待機型で無注水仕様の大口径雨水排水ポンプである。
全速全水位先行待機型とは,急な豪雨に対応するため雨水がポンプ機場に来る前に運転状態で待機しておくことが可能なポンプである。近年多発するゲリラ豪雨に備え,全速全水位先行待機型ポンプの需要が高まっている。
図1 2000 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 2000 mm vertical mixed flow pump
横軸斜流チューブラポンプ(図1) 1台
口径:1800 mm
要項:456 m3/min×5.2 m×510 kW
1980年代に納入した洪水用排水ポンプの更新である。近年増加している豪雨に対応するため,回転速度や駆動機出力の変更で排水能力を従来機比約10 %向上させた。
チューブラポンプの吸込口と吐出し口はパイプライン上に設置し,羽根車のみならず遊星歯車減速機や電動機も内蔵しているので,ポンプ設備全体としてコンパクトなレイアウトが可能となる。また,一般的に吸込水位以下に設置されるため呼び水操作が不要で自動運転を行いやすい構造である。
図1 1800 mm 横軸斜流チューブラポンプ Fig. 1 1800 mm tubular horizontal mixed flow pump
①横軸斜流ポンプ(図1) 2台
口径:2000 mm
要項:10 m3/s×5.1 m×646 kW
②横軸斜流ポンプ(図2) 1台
口径:1500 mm
要項:5.4 m3/s×4.5 m×311 kW
ポンプ設備の運転動力費低減を目的とし,流体解析と模型試験を行い,従来型ポンプより更なる羽根車と案内翼の形状と組み合わせの最適化を図った高効率型の横軸斜流ポンプである。
横軸斜流ポンプは主要部品が全て床上にあり,かつ上下二つ割のケーシング構造のため分解が容易で,ポンプだけでなく駆動機や減速機を含めてメンテナンス性に優れた設備構造を有している。今回はさらに軸封部にメカニカルシールを採用することによる無注水化など,メンテナンス性に一層配慮した構造となっている。
使用先においては,この口径2000 mmと1500 mmに加え900 mm 1台の計4台の排水ポンプによって雨量に合わせた台数制御を行い,排水量を調整している。
図1 2000 mm 横軸斜流ポンプ Fig. 1 2000 mm horizontal mixed flow pump
図2 1500 mm 横軸斜流ポンプ Fig. 2 1500 mm horizontal mixed flow pump
API仕様 新両吸込横軸ポンプ(図1) 5台
口径:1400 mm×1050 mm
要項:21873 m3/h×54 m×4233.1 kW
API610仕様の水平二つ割構造の両吸込横軸ポンプである。
本タイプのポンプは,オイル&ガスプラントや肥料プラントにおいて冷却水ポンプやプロセス液の循環ポンプとして使用されており,コンパクトかつ低コストであることが特に重要視されている。
本ポンプはその要求に応えるために新開発された製品の中でも特に大型のポンプである。新規設計された流路形状が使用されており,同一要項の当社従来製品と比較して約10 %(ケーシング代表径の比較による)のコンパクト化が達成され,省スペース化並びに材料費低減によって価格競争力を向上している。
図1 API仕様 両吸込横軸ポンプ Fig. 1 Horizontal double suction centrifugal API pump
①横軸両吸込渦巻ポンプ(図1) 2台
口径:700 mm×600 mm
要項:4875 m3/h×33 m×550 kW
②横軸両吸込渦巻ポンプ(図2) 3台
口径:600 mm×450 mm
要項:2890 m3/h×27 m×280 kW
パームヤシ殻や間伐材などを燃料に用いて発電する木質バイオマス発電所向けの循環ポンプであり,電動機が高出力かつ運転時間も長く消費電力が大きいので,ランニングコスト低減の観点から高効率化が求められている。
本ポンプは,この要求に応えるべく開発した製品であり,新設計の羽根車と渦巻ケーシングを採用することで,従来製品からの効率向上を図っており,今後も市場ニーズに応じた製品をラインナップしていく。
横軸両吸込渦巻ポンプは上下二つ割のケーシングを有しており,上ケーシングを取り外すことで内部点検と回転体の取り出しが可能でありメンテナンス性に優れた構造となっている。また,幅広い使用目的に対応でき,上水,農業用水,工業用水の送水ポンプとして使われている。
図1 700 mm×600 mm横軸両吸込渦巻ポンプ Fig. 1 700 mm×600 mm Horizontal double suction centrifugal pump
図2 600 mm×450 mm横軸両吸込渦巻ポンプ Fig. 2 600 mm×450 mm Horizontal double suction centrifugal pump
二重胴水平割形多段ポンプ
機名:6×10 1/4-8stg HSB(図1) 2台
要項:276 m3/h×3750 m×3200 kW
当社アンモニアポンプの中で最大口径のポンプである。アンモニアポンプは,尿素プラントにおいて尿素の合成に必要な液体アンモニアを合成装置に送り込む重要な機器である。液体アンモニアは比重が低く揮発性が高いため,ケーシングは二重胴構造を採用し,メカニカルシールにアンモニアポンプ専用に開発された高回転,高圧仕様に適した特殊二重シールを採用している。
世界各国に渡る納入実績があり,高い信頼を得ている高圧ポンプである。
図1 インド尿素プラント向けアンモニアポンプ Fig. 1 High pressure ammonia pump for urea plant in India
一重胴輪切形多段ポンプ
機名:150 SSP 6GM(図1) 2台
要項:161.3 m3/h×1428 m×1150 kW
当社カーバメートポンプの中で最大口径のポンプである。カーバメートポンプが取り扱うカーバメート液は,尿素を合成する過程で生成される中間物質であり,毒性と腐食性が強く,更には液温が低下すると固化する特殊な液体である。このため,ポンプには高い耐食性をもつ材料を採用するとともに,高いシール性と使用液の特性を考慮した構造を採用している。メカニカルシールにはカーバメートポンプ専用に開発された高回転・高圧仕様に適した特殊二重シールを採用している。世界各国に渡る納入実績があり,高い信頼を得ている高圧ポンプである。
図1 インド尿素プラント向けカーバメートポンプ Fig. 1 High pressure carbamate pump for urea plant in India
二重胴水平割形多段ポンプ
機名:6×8×13-7stg HDB(図1) 1台
要項:354 m3/h×1750 m×2700 kW
国内製鉄所向けデスケーリングポンプである。鋼材の圧延工程において,鋼材表面の酸化被膜を除去するための高圧水を発生させる高圧ポンプであり,運転回転数を増減させる流体継手付きのポンプユニットである。製鉄所の圧延ラインには断続的に鋼材が流れてくるため,高圧水の噴射も断続的になる。噴射待機時は,流体継手によりポンプ回転数を低速に制御できるため,消費動力を大幅に低減できる。ポンプはメンテナンス性に優れた二重胴構造である。また,使用液への異物混入にも耐えるよう,ポンプ内部は耐スラリー性を考慮した構造になっている。
図1 国内製鉄所向けデスケーリングポンプ Fig. 1 Descaling pump for steel mill in Japan
二重胴輪切形多段ポンプ
機名: 150×100 DCS11M(図1) 3台
要項: 155.8 m3/h×1212 m×500 kW
中東LNGプラント向け液化天然ガス輸送ポンプである。液化天然ガス輸送に使用される横型二重胴多段ポンプであり,硫化水素が混入する液化天然ガスであるため,ケーシングを含む全ての接液部材料がオーステナイトステンレス鋼である。顧客要求により冷却水の使用を制限されたため,軸受冷却にはファン空冷を採用している。メカニカルシールは,ポンプ使用液の大気漏えいを防ぐため,アキュームレーター加圧システム付タンデムシールを採用している。
図1 中東向け液化天然ガス輸送ポンプ Fig. 1 LNG transfer pump for LNG plant in Middle East
横軸両吸込2段渦巻ポンプ(図1) 7台
機名:250X200R2DM
要項:415.7 m3/h×270m×460 kW
近年,プラントプロセスの改良に伴い,高温要求のポンプの需要が多くなってきている。当社ではポンプ,ベース,カップリングに高温対策を施したプロセスポンプを設計,製造し納入している。写真は韓国の石油化学プラント向けに納入されている高温残渣油ポンプである。
高温仕様に適した材料選定・構造設計を行うことで,厳しい運転条件においても安定的なオペレーションを実現している。
図1 横軸両吸込2段渦巻ポンプ Fig. 1 Horizontal double suction two-stage volute pump
縦軸多段ポンプ(図1) 6台
機名:50VPCS9M
要項:24.2 m3/h×259 m×37 kW
タンク設置型のドレンポンプである。ポンプはタンクに設けられたポンプ設置用のフランジに直接据え付けられる。
タンク用のドレンパイプをポンプケーシングに取り付ける特殊構造のため,ポンプとタンク一体での振動解析を行い,共振が発生しないことをあらかじめ確認した上で,設計した結果,客先より高い信頼を得ている。
ポンプ長さが6 mと長いことも特徴である。
図1 タンク設置型立軸多段ポンプ Fig. 1 Tank surface mounted vertical multi-stage pump
管内クーラ(図1) 3台
口 径:1800 mm
交換熱量:3.36×106 KJ/h
取り外し可能なキャスタ付き伝熱管ユニットを備えた,ディーゼル機関冷却用の管内クーラである。
管内クーラを主ポンプ吐出し流路に接続し,ディーゼル機関一次冷却水をクーラ内側の伝熱管に通し,主ポンプの揚水によって冷却する構造となっている。冷却水ポンプやストレーナ,冷却水槽等の補機設備類が不要でシンプルな冷却系統となり,運転操作やメンテナンスも容易となる。また,一次冷却水はディーゼル機関と管内クーラの間を循環使用されるので,冷却水の補給量はわずかで済む。
図1 1800 mm 管内クーラ Fig. 1 1800 mm in-pipe heat exchanger
立軸斜流ポンプ(図1) 1台
口径:600 mm
要項:3000 m3/h×150 m×2100 kW
口径600 mmの石油化学プラント向け消火ポンプである。
羽根を3段にして高揚程としており,圧力が高いのでケーシングにダクタイル鋳鉄を用いて強度を増している。耐海水性を考慮して主要部品にはステンレス鋼を用いて,水中軸受にゴム軸受と特殊樹脂軸受を用いて無注水仕様としている。消火用ポンプは,停電時でも運転可能にする必要があるため,ポンプの直上に傘歯車減速機を設置し,駆動機にディーゼルエンジンを用いている。
図1 600 mm 立軸斜流多段ポンプ Fig. 1 600 mm vertical multi-stage mixed flow pump
製品名 | 種類 | 機名型式 | 台数 | 口径 | モータ出力 | 要項 |
雨水排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 2000VZGE | 1 | 2000 mm | 1070 kW | 600 m3/min×7.9 m |
雨水排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1800VZGE | 3 | 1800 mm | 1050 kW | 560 m3/min×8 m |
雨水排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1200VZGE | 1 | 1200 mm | 520 kW | 255 m3/min×8 m |
雨水排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1200VZGT | 3 | 1200 mm | 521 kW | 192 m3/min×12 m |
雨水排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1500HZGM | 1 | 1500 mm | 150 kW | 258 m3/min×2.5 m |
雨水排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1650HZGM | 4 | 1650 mm | 355 kW | 6.5 m3/s×4.04 m |
雨水排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 900HZGE | 2 | 900 mm | 73 kW | 96 m3/min×2.8 m |
送配水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 1500×1000CDM | 2 | 1500 mm×1000 mm | 4300 kW | 253 m3/min×80 m |
冷却水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 800×600CHNM | 4 | 800 mm×600 mm | 800 kW | 4200 m3/h×50 m |
冷却水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 700×500CGNM | 1 | 700 mm×500 mm | 550 kW | 4200 m3/h×35 m |
冷却水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 900×800CDM | 1 | 900 mm×800 mm | 560 kW | 6000 m3/h×26 m |
農業揚水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 1200×800CDM | 1 | 1200 mm×800 mm | 1740 kW | 3.25 m3/s×45 m |
逆洗ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 700CDM | 2 | 700 mm | 330 kW | 91.2 m3/min×16 m |
冷却水ポンプ | 横軸両吸込多段渦巻ポンプ | 550×400SPD2M | 1 | 550 mm×400 mm | 1650 kW | 2500 m3/h×178 m |
循環水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 700×600CFNM | 2 | 700 mm×600 mm | 600 kW | 5000 m3/h×0.31 MPa |
逆洗ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 600×500CENM | 1 | 600 mm×500 mm | 180 kW | 48.8 m3/min×17 m |
鶴家排水機場(図1)は,国営中津山農業水利事業により建設された排水機場であり,古川排水路流域の降雨を,旧北上川に排水する設備である。これまで当地区の排水を担ってきた旧鶴家排水機場の計画吐出量は13.6 m3/sで,老朽化が著しく施設の維持管理に多大な労力を要していた。本排水機場の計画吐出量を27.0 m3/sに増強し,湛水被害の軽減と維持管理の軽減を図るため,建設された。
構造上の特徴は,原動機の空冷化や主ポンプケーシングドレンの排水自動化など,冬期凍結防止対策を行っている。
No.1,No.2主ポンプ
口径:2000 mm横軸斜流ポンプ 2台
要項:10 m3/s×5.1 m×646 kW(ディーゼルエンジン)
No.3主ポンプ
口径:1500 mm横軸斜流ポンプ 1台
要項:5.4 m3/s×4.5 m×311 kW(ディーゼルエンジン)
No.4主ポンプ
口径:900 mm横軸斜流ポンプ 1台
要項:1.6 m3/s×3.9 m×85 kW(電動機)
図1 鶴家排水機場 Fig. 1 Tsuruga drainage pump station
札幌市東雁来雨水ポンプ場(図1)は,札幌市街地東北部の茨戸処理区東端に位置し,豊平川に面している。東雁来雨水ポンプ場整備事業により同市東区の東雁来地区や東苗穂地区などの浸水被害低減を目的とし建設された雨水ポンプ場である。雨水の排水能力は546 m3/min(将来636 m3/min)である。
本機場の特徴は,4床式の大深度雨水ポンプ場である。また,周辺環境へ配慮し,原動機はガスタービンを採用し,振動,騒音を低減させている。
寒冷地のためガスタービン始動性向上対策として燃料系統にヒータを設置している。
No.1,No.2雨水ポンプ
口径:800 mm立軸斜流ポンプ 2台
今回1台(No.2),将来1台(No.1)
要項:90 m3/min×18.5 m×400 kW(電動機)
No.3~No.5雨水ポンプ
口径:1350 mm立軸斜流ポンプ 3台(1台予備)
要項:228 m3/min×18.5 m×1000 kW(ガスタービン)
図1 東雁来雨水ポンプ場 Fig. 1 Higashikariki drainage pump station
蜆川沿岸地域は地盤が低く,高潮対策で伏見屋樋門のゲートが閉鎖されると河川水を排水することができず,浸水被害が発生しやすい状況であった。そこで,洪水・高潮時の浸水被害を低減するため,愛知県知立建設事務所が蜆川排水機場の建設を計画し,当社は排水能力12 m3/sのポンプ設備を納入した(図1)。
一般に,立軸ポンプで駆動機にエンジンを使用する場合,ポンプ設置階の上階に減速機及びエンジンを設置する。本ポンプはポンプ軸頂部に減速機を搭載することによって,エンジンを同一階に設置することができ,建設コストを削減することができた。
また,減速機の冷却は排水する河川水により行っており,配管系統を簡略化することができた。
納入先:愛知県知立建設事務所
口 径:1500 mm減速機搭載型立軸軸流ポンプ 2台
要 項:6 m3/s×4.8 m×460 kW(ディーゼル機関)
図1 蜆川排水機場 Fig. 1 Shijimigawa drainage pump station
旧木山川排水機場は新潟市西蒲原地域に位置し,木山川から新川への排水を担っている。
1958年より稼働していた旧機場(第1排水機場)では,地盤沈下に伴う吐出量の低下及び建屋の経年劣化があることから全面更新されることとなり,旧機場に隣接して新機場が建設され,機器の更新・据付(図1)を行った。
本地域は低地にあり,吸込側の河川水位に対して吐出し側の河川水位が高い。そのため,降雨時でなくともポンプによる強制排水を実施し,農地の水没を防ぐ必要がある。
全てのポンプは電動機駆動だが,始動器の変更や外部給電用端子を設けることで,新機場では移動式電源車を用いた運転機能が追加され,万一の停電の場合でも主ポンプ1台の運転が可能となったことが特徴である。
口径:1350 mm横軸斜流ポンプ 4台
要項:3.65 m3/s×6.4 m×164 kW(電動機駆動)
図1 旧木山川排水機場 Fig. 1 Kyukiyamagawa drainage pump station
秋芳川排水機場(図1)は,岡山市の東部を流れる新堀川が吉井川へ合流する地点に設置されており,大雨により流域面積2793.1 ha,受益面積453.8 haの範囲の降水が新堀川へ集水された際に,吉井川へ排水するための施設である。
施設設置から33年が経過し,施設の老朽化によるポンプ機能の低下に加え,流域内の宅地化等の開発に伴い,新堀川への流入量が増大したことによる湛水被害が懸念されていた。
今回は,3台中1台(図1の手前が対象ポンプ)のポンプ能力向上(吐出量増量)を目的とした更新工事を実施した。
納入先:岡山県備前県民局
口 径:1800 mmチューブラポンプ 1台
要 項:7.6 m3/s×5.2 m×510 kW
図1 秋芳川排水機場(写真手前が対象ポンプ) Fig. 1 Akiyoshigawa drainage pump station
毛馬排水機場(図1)は,高潮や洪水時において寝屋川流域の水位低下を図るため,淀川本川に排水して大川の水位上昇を回避することを主な目的として,1978年から稼働を開始している。
本機場の特徴は,実揚程の変動に対応して羽根角度を調整し,原動機出力を合理的に利用できるように可動羽根ポンプを採用したことである。また主ポンプは,高速回転・低速回転の2種の回転速度で運転できるように大電動機,小電動機を設置していた。
納入から40年が経過しており,本工事では次の整備を実施した。
(1)主ポンプ回転体と羽根角度制御機構の分解整備及びインペラハブの更新(図2)
(2)大電動機の分解整備
(3)減速機の軽量化更新(既設減速機重量約68 tの軽量化,既設天井クレーン(60 t吊)による一体吊りを可能とした)
(4)設備の運用・機能見直しなどによる小電動機の撤去
(5)減速機の更新に伴う主ポンプ盤の更新,既設制御盤・監視制御装置の改造
今回は全6台の内,最初の1台目の分解整備,更新と改造であり,残りのポンプの整備方針だけでなく,今後の効率的な維持管理計画のための検討データとして,既設の劣化状況などの精密診断が行われた。
納入先:国土交通省近畿地方整備局
口 径:4000 mm立軸可動羽根軸流ポンプ 6台
要 項:高潮時 55.0 m3/s×2.2 m×2500 kW(電動機駆動)
洪水時 33.3 m3/s×5.0 m×2500 kW(電動機駆動)
図1 毛馬排水機場 Fig. 1 Kema drainage pump station
図2 主ポンプの整備状況 Fig. 2 Maintenance of main pump
韓国向けコークスオーブンガスブロワ2台,日本国内下水処理場向け曝気ブロワ5台,合計7台のブロワを袖ヶ浦工場から出荷した。曝気ブロワ(型式:700×600IV TBM(V))(図1)は,水処理反応槽の散気装置に空気を供給するものである。
羽根車の運転領域を大風量側へ新規設計し高効率化させた。またケーシング設計を大風量に合わせ新規設計した。近年,大風量運転の需要が増加傾向にある市場に合わせ,今年度新規設計したケーシングをシリーズ化した。
図1 国内下水処理場向け曝気ブロワ Fig. 1 Public sewage blower for Japan
福井県敦賀市にある国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 ふくいスマートデコミッショニング技術実証拠点向けに,水中切断技術実証用円筒型プール(図1)とその給排水設備を納入した。
この設備は,原子力発電所の廃止措置に用いる水中切断技術用の実証試験装置として整備されたものである。原子力発電所で使用される部材の模擬材等を水中にセットし,あらかじめ準備してある切断工具を使用することで,解体作業の事前確認,体験・習得等の場として利用される。
特長
円筒型プールの水位は,試験条件に合わせて10 m以下で任意に調整することができ,切断によって発生する切削粉を除去する循環・浄化システムを備えている。
円筒型プール仕様
容 量:120 m3
主要寸法:O.D. 4.5 m×H 10.5 m
材 料:SUS304
図1 円筒型プール Fig. 1 Cylindrical pool
地球温暖化防止を目的に,2015年4月に「フロン排出抑制法」が施行され,脱フロン化への流れが急速に高まった。ターボ冷凍機市場においてもこの影響は大きく,従来冷媒(フロン)から地球温暖化係数(以下GWP)がより低い新冷媒への移行要求が高まっている。このような背景の下,新冷媒を採用したノンフロン高効率ターボ冷凍機RTBA型を開発し,初号機を国内大手化学メーカ向けに受注した。
特長
①低GWP(1以下)新冷媒「R1224yd(Z)」を採用し環境に配慮
②「フロン排出抑制法」対象外ノンフロン冷凍機
③シリーズ最高COP6.4の高効率製品
④実績豊富で市場からの信頼性が高いRTBF型をベースに開発
⑤冷凍能力は220~1250USRTと広いラインナップ
⑥インバータ仕様・防爆仕様等,様々なニーズに対応
仕様
型 式:RTBA115SBV(図1)
冷凍能力:1544 kW
ブライン:0 ℃→-4 ℃
冷却水 :30 ℃→33.5 ℃
この製品は,日刊工業新聞社主催の「第21回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」表彰において,「HFO冷媒を用いた高効率ターボ冷凍機」で審査委員会特別賞を受賞した。
図1 ノンフロン高効率ターボ冷凍機RTBA型 Fig. 1 Low GWP refrigerant high efficiency centrifugal chiller model RTBA
[荏原冷熱システム㈱]
湖北科林博伦新材料有限公司は,年間30000トンものベンジルアルコールを生産している。ベンジルアルコールの生産過程で高温廃水が発生する。この高温廃水を有効活用して冷水を取り出す温水大温度差吸収冷凍機 RHH066型(1台)を納入した。
特徴
・3基の再生器で構成される特殊溶液循環方式により,最大で95 ℃→55 ℃の大温度差で温水利用が可能となり,駆動熱源の利用範囲が拡大した(中国実用新案取得済)。
・本冷凍機は8つの缶胴で構成されているが,上下分割構造によりコンパクトになり,設置面積が縮小した。
仕様
型 式:RHH066(図1) 1台
冷凍能力:1744 kW 1台
冷 水:12 ℃→7 ℃
冷却水:32 ℃→37 ℃
温 水:78.4 ℃→57 ℃
図1 温水大温度差吸収式冷凍機RHH型 Fig. 1 Warm water large temperature differential absorption chiller model RHH
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
中国を代表する空港の一つである上海浦東国際空港では,利用客増加による収容量限界に伴い,現施設の南側に62.2万m2という世界最大級の単体サテライトターミナルを新設した。当社はこの新設ターミナルに高効率大型ターボ冷凍機RTGC20A型(12台)を納入した。これにより年間8000万人の旅客利用が想定されるターミナル全体の空調需要を担っていく予定である。
特徴
・二段圧縮+エコノマイザガス流量調節により,10 %-100 %の広範囲な負荷で安定運転を実現。
・海浜空港対応として,塩害腐食防止の特殊処理を施工。
・二重化した計測機器の採用による安全性の向上。
・水蓄熱設備,整備用冷媒回収機構も併せて受注・納入。
仕様
型 式:RTGC20A(図1) 12台
冷凍能力:7034 kW 12台
冷 水:13 ℃→5 ℃
冷却水:32 ℃→38 ℃
図1 上海浦東空港向けターボ冷凍機RTGC20A型 Fig. 1 Centrifugal chiller model RTGC20A for Shanghai Pudong International Airport
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
㈱荏原電産は,これまで農業かんがい施設や治水関連施設を対象に数多くの監視制御システムを納入してきた。これらの施設は延命化が進められており,コストを抑えた施設の維持管理を行うため,長期保守が可能な監視制御システムが求められている。
しかしながら,監視制御システムを構成するコンピュータ機器は製品ライフサイクルが短く,長期保守を行うためにはシステム更新を行うことが必須となる。ソフトウェア技術の進歩も速いため,コンピュータ機器を更新する際,ソフトウェアをそのまま使用できないこともある。この場合,新規システムを導入することとなる。
したがって,監視制御システムのライフサイクルを長期化すると同時に,新規システムに更新する際,過去の蓄積データを新規システムに移植できる互換性も求められる。当社は,施設の長期運転を支援するため,従来のシステムの基本機能は継承しながら,過去の蓄積データの移植を容易にし,機能を改善したEDFrame2を開発した(表)。
主な仕様 | 概要 | |
システム構成※1 | 子局ノード最大接続数:32台(1) 上位サーバ端末最大接続数:10台(0) 下位サーバ端末最大接続数:10台(0) 表示端末最大接続数:10台(-) |
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子局1台あたりの最大点数※2 | アナログ入力:1000点 アナログ出力:200点 デジタル入力:6000点 デジタル出力:500点 内部演算:接点1000点,アナログ1000点 |
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機能 一覧 |
データ保存 | ヒストリカルデータ(1分周期) 高速ヒストリカルデータ(1秒周期保存) 積算集計データ(日)(月)(年) 履歴データ(機器の運転・警報記録) 帳票集計データ 運転・故障日カレンダー |
系統図表示 | 広域施設全体,施設内設備のグラフィック表示 | |
故障対応 | 警報やガイダンスのリアルタイム表示 発生中の警報をリスト形式で表示 |
|
グラフ表示 | 流量,水位等の時間変化のトレンド 流量の積算値のトレンド 機器の運転/停止のチャート 機器の運転回数,運転時間の集計 |
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履歴管理 表示 |
履歴データを時系列にリスト表示 流量,水位等の記録データを日報,月報,年報形式で表示 |
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一覧表示 | 接点やアナログ項目のデータ一覧表示 | |
運転支援 | 機器の始動条件をリスト表示 排水ポンプの始動・停止タイミングを グラフで表示 |
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制御演算 | ポンプQ-H演算,各種施設諸量演算 | |
警報設定 | 上下限警報設定・代替値設定 | |
メール送信 | メール送信,送信グループ設定 | |
ブラウザ表示 | Webブラウザによる各種画面の表示 |
本システムでは,従来の機能に加え1秒周期のデータを保存する高速ヒストリカルデータ保存機能を追加した。システム構成は,子局数を増加するとともに,多階層に構成でき,既設システムとの接続互換性も含め,柔軟な構成に対応できるように設計した(図1)。
監視画面では,1画面で複数の監視画面が表示できるマルチ画面機能を追加した(図2)。また,近年の傾向により要望が増えたメール通報や標準的なWebブラウザによる表示機能の充実化を図り,可能な限り専用アプリケーションでの監視画面と同等の機能を実現するように作成した(図3)。
また,本システムの開発に併せて既設システムのデータを再利用するためのツールも開発した。
図1 システム構成例 Fig. 1 System diagram example
図2 マルチ画面 Fig. 2 Display multi Screen
図3 Webブラウザによるトレンドグラフ画面 Fig. 3 Trend graph display on web browser
Webブラウザでの監視では,スマートフォンやタブレットの監視画面を充実させていく。
また,運用データを抽出し,データを解析して有効利用するための方法をユーザと模索していきたい。
[㈱荏原電産]
西濃環境保全センターは,1991年3月の竣工から24年が経過したため,老朽化した機器の更新と省エネルギー機器の導入によって施設の長寿命化を行った(図1)。
本工事により,低炭素社会や循環型社会に寄与する施設として,施設稼動目標2030年度までの安定したごみ処理の継続と二酸化炭素排出量の削減(11.9 %)を図ることができた。
納入先 | 西濃環境整備組合(1991年3月竣工) |
施設概要 | |
公称能力 | 90 t/24 h×2炉 |
焼却炉方式 | 流動床焼却炉 |
燃焼ガス冷却方式 | 水噴霧+排ガス冷却器 |
事業概要(更新機器) | |
受入・供給設備 | ごみクレーン油圧バケット |
燃焼設備 | 給じん装置・不燃物取出装置・不燃物振動篩他 |
燃焼ガス冷却設備 | 各種排ガス熱交換器 |
排ガス処理設備 | ろ過式集じん器・触媒反応塔の触媒 |
余熱利用設備 | プラント用冷却塔 |
通風設備 | 押込送風機・各種コンプレッサ |
灰出し設備 | 不燃物搬送コンベヤ・各種灰移送コンベヤ |
電気・計装設備 | DCS・受変電設備・排ガス分析計他 |
工期 | 2015年8月17日~2018年3月16日 |
循環型社会形成推進交付金事業(交付率1/2) | |
二酸化炭素削減率 実績値11.9 %(保証値3 %) |
図1 施設外観 Fig. 1 General view of waste incineration facility
[荏原環境プラント㈱]
老朽化した既存2施設(うち1施設は,当社が改造工事・運転を受託)の統合・建替えとして,当社は北アルプス広域連合に「北アルプスエコパーク(40 t/24 h(20 t/24 h×2炉))」(図1)を納入し,2018年7月31日に竣工した。本施設は,大町市・白馬村・小谷村からの一般可燃ごみ及び可燃性粗大ごみを受け入れて焼却処理する施設で,ストーカ式焼却炉+水噴射式燃焼ガス冷却方式を採用しており,資源物の一般持込み用にストックヤード棟も備えている。また,水害対策として,隣接する鹿島川のハザードマップ浸水最高水位以上となるよう基礎レベルを上げている。
本施設は,エネルギー回収推進施設として空気加熱器や温水発生器を設けて,熱回収率10 %以上の能力を有している。回収した熱は,燃焼用空気の予熱のほか,場内の給湯・暖房,ロードヒーティングで利用している。また,場内排水は,生活排水も含めてすべてプラントで再利用するクローズドシステムとしており,環境保全と資源の有効利用を両立している。
図1 北アルプスエコパーク 施設外観 Fig. 1 General view of waste incineration facility in North Alps Wide Area Union, Nagano
[荏原環境プラント㈱]
荏原グループは,中国河南省洛陽市のごみ焼却施設(図1)にストーカ式焼却設備(図2)を納入し,2018年7月に引渡しを完了した。施設規模は500 t/d×3炉(1500 t/d)であり,中国大陸における11件目の大型ストーカ焼却炉である。荏原グループは,ごみ焼却関連設備の基本設計を行うとともに,焼却炉周りの主要機器を納入した(表1)。中国における厳しい排ガス規制値に適合させるため,半乾式処理(消石灰噴霧)と乾式処理(重曹噴霧)を組み合わせた高度排ガス処理システムを採用した(表2)。
図1 ごみ焼却施設 Fig. 1 General view of plant
図2 ストーカ式焼却炉 Fig. 2 Grate-type incinerator model HPCC
項目 | 形式・仕様 |
焼却炉 | エバラHPCC型 ストーカ式焼却炉 |
処理量:1500 t/d(500 t/24 h×3基) | |
ボイラ※2 | 過熱器付自然循環式水管ボイラ |
蒸発量:46.4 t/h(最大51.8 t/h)×3缶 | |
蒸気条件:400 ℃×4.0 MPa (ゲージ圧,過熱器出口) |
|
蒸気タービン 発電設備※3 |
蒸気タービン(復水式)+ 発電機 |
タービン及び発電機定格:15 MW×2基 | |
排ガス 処理設備※2 |
集じん方式:バグフィルタ |
HCl・SOx除去方式:半乾式有害ガス除去(消石灰噴霧),乾式有害ガス除去(重曹噴霧) | |
脱硝方式:無触媒脱硝(SNCR)※1 | |
ダイオキシン類対策:活性炭噴霧方式 | |
煙突 | 外筒:鉄筋コンクリート造,内筒:鋼製 |
高さ:80 m |
項目 | 排ガス基準値 | 性能試験結果 | 排ガス基準値(参考) |
O211%換算値 | O212%換算値 (日本の基準との比較のために記載) |
||
ばいじん | ≦8 mg/m3(NTP) | 6.82 mg/m3(NTP) | ≦7.2 mg/m3(NTP) |
硫黄酸化物(SOx) | ≦30 mg/m3(NTP) | 17.47 mg/m3(NTP) | ≦9.45 ppm |
窒素酸化物(NOx) | ≦180 mg/m3(NTP) | 137.4 mg/m3(NTP) | ≦78.9 ppm |
塩化水素(HCl) | ≦8 mg/m3(NTP) | 6.52 mg/m3(NTP) | ≦4.4 ppm |
一酸化炭素(CO) | ≦50 mg/m3(NTP) | 13.67 mg/m3(NTP) | ≦36.0 ppm |
[荏原環境プラント㈱]
[青島荏原環境設備有限公司]
ランニングコストの低減や省人化を目的とした,IoT及びセンサを活用したプラント運転支援システムの需要が高まっている。この要望に応えるため,当社独自のイオン交換樹脂センサ及びプロセス計算ソフトを開発した。純水装置の実際の運転状態を可視化した状態監視により,装置パフォーマンスを最大限に生かすことを可能とした。1号機を大手飲料会社に納入した(図1)。
機名:SaiForce®
特長
(1)独自のイオン交換樹脂センサ及びIoTを利用し,遠隔で装置状態を可視化
(2)最適な再生頻度により使用薬品量を極小化
(3)イオン交換樹脂の最適な交換頻度を提案
図1 SaiForce<sup>®</sup> 1号機 Fig. 1 New demineralizer (SaiForce<sup>®</sup>)
[水ingエンジニアリング㈱]
紫波,稗貫衛生処理組合解散に伴い,既設敷地内に紫波町発注の紫波町汚泥再生処理センター(図1)を納入した。本事業は,DBO方式により,当社は施設の設計・施工及び15年の施設運営を行う。
施設は,バリュースラッジシステム®(軸摺動式スクリュープレス脱水機)による直接脱水と希釈下水道放流方式のシンプルなフローによりコンパクト化を達成した。既存施設を運用しながら同施設の敷地内に新設し,切換を行った。
概要
処理方式:直接脱水+希釈,下水道放流
処理量 :44 kL/d(し尿18 kL/d,浄化槽汚泥26 kL/d)
工 期:設計・施工 2016年6月14日~2018年3月31日
運 営 2018年4月1日~2033年3月31日
特長
(1)軸摺動式スクリュープレス脱水機により,汚泥は含水率70 %以下まで脱水。脱水汚泥は助燃剤として外部搬出。
(2)軸摺動式スクリュープレス脱水機は,汚泥中の繊維分が多いほど脱水性が向上。これまで別々に処理していたし渣分を一緒に脱水することが可能となるため,前処理設備が不要。ランニングコストの低減と維持管理作業を効率化。
図1 紫波町汚泥再生処理センター施設外観 Fig. 1 General view of Shiwa town sludge regeneration treatment center
[水ingエンジニアリング㈱]
北海道広尾町終末処理場向けに周辺駆動ホイール形汚泥かき寄せ機「MLDコレクタ」(図1)を納入し,2018年2月に稼働を開始した。
従来の中央駆動懸垂形汚泥かき寄せ機は槽上に設置した鋼製ブリッジの中央に駆動装置があり槽内品を懸垂する構造であるため,かき寄せ機構に直接関係ない大型のブリッジが必要であった。また,鋼製ブリッジを含めた構成機器は定期的な塗装補修が必要になるなど,維持管理に多くの費用が掛かっていた。この問題を解決するため,周辺駆動とすることで鋼製ブリッジが不要で,耐食性に優れた「MLDコレクタ」を開発した。
MLDコレクタは周辺駆動により駆動装置の小型化を図り,槽内品は塗装が不要なステンレスを使用し,濃縮性向上のためのフェンスアームを追加した(図2)高機能で維持管理性を向上した汚泥掻き寄せ機である。
機器仕様
型 式:周辺駆動ホイール形汚泥かき寄せ機
適用設備:円形沈殿池,円形濃縮槽
適用池径:6 m~15 m(標準)
スカム除去:パイプスキマ
特長
(1)槽内品全てに耐食性部材を使用しているため,補修塗装が不要。
(2)周辺駆動とすることで必要動力の低下により,駆動装置の小型化。
(3)ピケットフェンスの本数増加により,汚泥の沈降性,濃縮性が向上。
図1 MLDコレクタ全体図 Fig. 1 MLD Collector
図2 フェンスアーム及びピケットフェンス Fig. 2 Fence arm and picket fence
[水ingエンジニアリング㈱]
藤沢工場ものづくり50年の歴史
1966年頃の藤沢工場
縁の下の力持ち 高圧ポンプ -活躍場所編ー
100万kW火力発電所内で活躍する50%容量ボイラ給水ポンプ
RO方式海水淡水化用大容量、超高効率高圧ポンプの納入
長段間流路内の流線と後段羽根車入口の流速分布
縁の下の力持ち ドライ真空ポンプ -真空と真空技術の利用ー
真空の領域と用途例
座談会 エバラの研究体制
座談会(檜山さん、曽布川さん、後藤さん)
縁の下の力持ち 標準ポンプ -暮らしを支えるポンプー
標準ポンプの製品例
座談会 未来に向け変貌する環境事業カンパニー
座談会(三好さん、佐藤さん、石宇さん、足立さん)
世界市場向け片吸込単段渦巻ポンプGSO型
GSO型カットモデル
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