半導体製造プロセスでは,排ガス処理における装置の高効率化や,生成物対策によるメンテナンスインターバルの延長などの需要が高まっている。既存製品のTND-Single型は,こうしたニーズに応える製品であるが,新たに市場要求の高いダウンタイムレス運用を可能とするTND-Dual型(図1)を開発し,製品ラインアップに加えた。
仕様
最大ガス流入量(L/min):200(1流入ポートあたり)
400(1バーナあたり)
800(1装置あたり)
寸法 W×D×H(mm) :1860×750×1980※1
特長
(1)1つの制御機構で,TND-Single型同等の排ガス処理機構を2系統搭載し1パッケージ化を実現した。
(2)片側1系統(A側)のみメンテナンスする場合でも,もう1方(B側)の排ガス処理機構で運転が継続できる。
(3)2系統の排ガス処理機構で相互にバックアップする運転が可能。突発的な故障が発生した場合でも排ガス処理装置が停止することなく継続運転できるため,ダウンタイムゼロが実現できる。
※1:筐体のみ,接続される配管等は含まない。
図1 TND-Dual型 Fig. 1 Model TND-Dual
近年の半導体の微細化・集積化に伴い,EUV露光装置の需要が高まっている。当社はEUV向露光装置に付帯する真空排気システム(図1)の販売を開始した。
本製品は,EUV露光プロセスに必要な大流量水素を排気できる性能を有しながら,省エネルギーで,かつ省フットプリントを実現している。
また,ユーザーの様々なニーズに柔軟に対応するため,各モジュールをユニット構成としている。これにより,ポンプユニットの増設,当社水素処理装置とのドッキング・連動運転など,高い拡張性と,顧客の工場設備に合わせたレイアウトに柔軟に対応することが可能である。
特長
(1)高効率大流量水素排気を実現
(2)省エネルギー・省フットプリント
(3)高い拡張性とレイアウトの柔軟性
図1 真空排気システム Fig. 1 Pre-vacuum system
主に半導体製造装置向けのドライ真空ポンプとして,ESR1283XT-LT型の販売を開始した(図1)。
ESR1283XT-LT型は,近年の半導体の微細化,3D化に伴い製造プロセスにおいて要求される大排気速度かつ,大ガス流量への対応を低温で可能とすることを特長とする。
本製品は,上記の性能を実現するだけでなく,従来の同仕様のポンプと比較して約20 %のフットプリント削減を実現した。
ESR1283XT-LT型の主な特長は以下のとおりである。
特長
(1)大排気速度(110000 L/min)
(2)大ガス流量時でも低温
(3)省フットプリント(当社従来比20 %削減)
図1 ドライ真空ポンプESR1283XT-LT型 Fig. 1 Dry vacuum pump model ESR1283XT-LT
本装置は,半導体業界向けの300 mmウェーハ対応ベベル研磨装置EAC300BI-HV型(図1)である。近年,半導体素子の微細化・集積化が加速し,半導体ウェーハの端面であるベベル部分やウェーハ表面及び裏面のエッジ部に見られる欠陥や不要な薄膜を取り除く必要性がこれまで以上に高まっている。本装置は,これらの除去を行うことで歩留まり改善に貢献している。
固定砥粒により,研磨対象の選択性なく物理的な研磨が可能となった。またレシピ制御可能な研磨ヘッドによりウェーハ端面形状の高精度コントロールが可能である。
特長
(1)固定砥粒による優れた研磨性能
(2)ウェーハ端面形状コントロール
(3)広範囲・フレキシブルな研磨エリア
図1 ベベル研磨装置 EAC300BI-HV型 Fig. 1 Bevel polishing system model EAC300BI-HV
高効率標準ポンプGS型シリーズは,飲料用から工業用まで様々な用途に対応し,製品ラインナップを拡充している。2020年4月から,東南アジア及び中東地域の市場向けにGS型シリーズの新型であるGSD型ポンプの販売を開始した。
GSD型の構造の主な特徴は,①配管を外すことなく回転体の点検・交換が可能なバックプルアウト方式を採用し,②ポンプ部とモータ部をリジッドカップリングで連結した直動形であり,カップリングの芯出し作業が不要である。
ポンプケーシングの寸法は欧州規格EN733に準拠し,フランジはEN1092-2 PN16を採用することで,グローバル市場に対応し,高効率製品の普及に貢献していく。
本製品に関する詳細は,本誌掲載の「高効率GSシリーズ直動形ポンプGSD型」で紹介する。
仕様
口 径 :32~150 mm
吐出し量:~700 m3/h(50 Hz)
全 揚 程 :~150 m
図1 直動形ポンプGSD型 Fig. 1 Close-coupled pump model GSD
横軸二重胴多段ポンプ(図1) 2台
要項:291 m3/h × 3664 m×2950 kW
肥料プラント向け横軸二重胴多段ポンプをインドに納入した。肥料プラントにおいて,尿素の合成に必要な液体アンモニアを合成装置に送り込む重要な機器である。
特徴
(1)高速回転及び高吸込圧力仕様のポンプである。
(2)揮発性の高いアンモニアを取扱うポンプであり,シール性の高い二重胴構造を採用している。
(3)軸封には高速回転及び高吸込圧力仕様の特殊ダブルメカニカルシールを採用している。
図1 肥料プラント向け高圧アンモニアポンプ Fig. 1 High pressure ammonia pump for fertilizer plant
横軸一重胴多段ポンプ(図1) 2台
要項:753 m3/h × 410.6 m×1200 kW
アンモニアプラント向け横軸一重胴多段ポンプをインドに納入した。アンモニアプラントにおいて,アミン液を加圧・送液するために用いられる。
特徴
(1)両吸込羽根車を採用することにより,優れた吸込性能を発揮する。
(2)腐食性の高い液に耐えられるよう,適切な材料選定と熱処理が施されている。
(3)軸封にはシングルメカニカルシールを採用し,メカニカルシール内部での液の固着を防ぐために,外部からメカニカルシール内に注水が行われる。
図1 アンモニアプラント向けアミンポンプ Fig. 1 Amine pump for ammonia plant
横軸斜流ポンプ(図1) 3台
口径:1600 mm
要項:330 m3/min×5.1 m×400 kW
本機は,スクリーンを通過し砂等を除去した雨水を排水するポンプである。
1970年代に設置された設備の更新であるが,既設の駆動用電動機及び減速機を有効活用する更新である。
横軸斜流ポンプは主要部品が全て床上にあり,かつ上下二つ割りのケーシング構造のため分解が容易で,ポンプだけでなく駆動機や減速機を含めてメンテナンス性に優れた設備構造を有している。
使用先においては,この口径1600 mm×3台に加え口径1100 mm×2台の計5台の排水ポンプによって雨量に合わせた台数制御により排水量の調整を行っている。
図1 1600 mm横軸斜流ポンプ Fig. 1 1600 mm horizontal mixed-flow pump
立軸斜流ポンプ(図1) 8台
口径:1600 mm
要項:18000 m3/h×50/59 m×5600 kW
本機は,化学プラント向けの原水を取水するポンプである。
特徴
(1)原水として塩分濃度が高い海水を取り扱うため,本ポンプは耐食性を考慮した。主要部品にオーステナイトステンレス鋼とゴムライニングを施工した炭素鋼を使用し,水中軸受はグリス潤滑軸受構造としている。
(2)将来の仕様変更を見据えた構造設計を行い,必要最小限の部品交換にて要項変更が可能である。
図1 1600 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 1600 mm vertical mixed flow pump
立軸軸流ポンプ(図1) 10台
口径:2200 mm
要項:54000 m3/h×8 m×1850 kW
本機は,タイ向けのかんがい・雨水排水用ポンプである。
特徴
(1)水中軸受にドライ始動が可能なセラミックス軸受を使用し,現地でのユーティリティ量を低減している。
(2)プルアウト構造を採用することで,ポンプケーシングを吐出し配管及びポンプベースに固定したままポンプ回転体を取り外すことができ,現地のメンテナンス性向上に貢献している。
図1 2200 mm 立軸軸流ポンプ Fig. 1 2200 mm vertical axial-flow pump
横軸両吸込渦巻ポンプ(図1) 1台
機名:1000×800CDM×1 台/1000×800CDGT×1台
口径:1000 mm
要項:12243 m3/h×55.8 m×2089 kW
本機はサウジアラビア向けの大型横軸両吸込渦巻ポンプであり,化学プラント内において使用される冷却水の循環用ポンプである。
エリオットグループ(ジャネット)製蒸気タービンとの組合せにより,短納期で要求仕様に対応することができたため,他社製既設ポンプの取り換え用として荏原製ポンプが採用された。
特長
(1)モータ駆動のポンプ(1000×800CDM)と蒸気タービン・ギヤ駆動のポンプ(1000×800CDGT)が組合されており,状況に応じて切り替えて運転が可能である。
(2)駆動機出力が大きく,プラント稼働中は常時運転されることから,高いポンプ効率を有している。
図1 1000 mm 横軸両吸込渦巻ポンプ Fig. 1 1000 mm horizontal double suction volute pump
横軸二重胴多段ポンプ(図1) 2台
要項:4000 L/min × 35.7 MPa×4500 kW
中国製鉄所向けの横軸二重胴多段ポンプである。
鋼材表面の酸化被膜を除去するための高圧水を発生させる高圧ポンプである。
特徴
(1)回転数を低速(50 %)から全速(100 %)まで加減速運転が可能である。
(2)使用液にスラリーが混入するため,耐スラリー性を考慮した構造である。
(3)軸封には,信頼性と高寿命を兼ね備えたスロットルブッシュを採用した。
図1 中国製鉄所向けデスケーリングポンプ Fig. 1 Descaling pump for steel mill in China
機名:200×150KSM 2台
要項:431.9 m3/h×210.7 m×250 kW
海外石油化学プラント向けにAPI610規格及び韓国KGS規格に準拠して製作した横型両吸込単段ポンプである(図1)。
危険液を扱うポンプであり,大気漏洩を最小化するためデュアルメカニカルシールを採用している。高温液を取り扱うため,熱膨張による機械精度のずれを最小化するように設計している。ケーシング上下部に温度センサーを設置し,起動時のオペレーションミスによる急激な温度変化を防止できる機能を採用している。
図1 石油化学プラント向けパレックスフィードポンプ Fig. 1 Parex feed pump for petrochemical plant
横軸二重胴多段ポンプ(図1) 2台
要項:3239.8 t/h×3710.6 m×37639.4 kW
中国の事業用火力発電所向けの横軸二重胴多段ポンプである。発電用ボイラへボイラ水を供給する重要な補器である。
特徴
(1)横軸多段ポンプとして当社最大の容量である。
(2)発電所のボイラ給水循環系統を本ポンプ1台でまかなう。
(3)軸受は高耐荷重の強制給油軸受を採用し,軸封には高い信頼性を有するスロットルブッシュを採用した。
図1 中国火力発電所向けボイラ給水ポンプ Fig. 1 Boiler feed water pump for thermal power plant in China
機名:8ECC-1216 7台
要項:334 m3/h×2380 m-LNG×1665 kW
LNG受入基地で使用される国内最大級のLNG高圧サブマージドモータポンプ(図1)7台を一括で納入した。
モータを含むポンプ全体が-162 ℃のLNGに潜設されるポンプである。
本ポンプは独自のスラストバランス機構(TEM)を採用し,全流量範囲で運転時の軸受スラスト力をゼロにできる特徴を持っている。
クライオポンプ事業の荏原製作所からエリオットグループへの移管にともない,本件は設計・生産・試験に至るまで米国Sparks工場にて実施し,日本国内サイトへ納入した。
図1 LNGサブマージドモータポンプ Fig. 1 LNG submerged motor driven pump
[エリオットグループ]
房総導水路は,房総半島への水需要の増加に対応するため,利根川の水を南房総地域の大多喜町までの全長約100 kmもの長い距離を運び,必要な地域での水不足の心配をなくし,人々の暮らしを支えている水路である。横芝揚水機場(図1)は栗山川から取水し,房総導水路を経由して大網揚水機場に揚水する施設である。
図1 横芝揚水機場 Fig. 1 Yokoshiba water supply pump station
房総導水路の施設のひとつである横芝揚水機場は1977年に完成し,通水を開始した。通水開始から40年強が経過し,老朽化したポンプ設備のシステム設計・製作・据付を含む改修工事を実施した揚水施設である。図2に房総導水路の断面図を示す。
図2 房総導水路断面図 Fig. 2 Boso Canal diagram cross section
更新したポンプのインペラやケーシングなどを新規設計することで従来よりも効率を向上させ,房総導水路への安定した用水供給を実現している。今回の改修工事の範囲を下記に示す。
・導水路ポンプ:更新
・導水路ポンプ用電動機:更新
・導水路ポンプ用速度制御装置:新設
・配管・弁類:新設・更新・整備
・系統機器設備:更新
・電源設備:一部更新
・監視操作制御設備:一部更新
・付属設備:更新・整備
納入先:水資源機構
口径:1200 mm 横軸両吸込渦巻ポンプ 3台
要項:3.25 m3/s×45 m×1740 kW(電動機駆動)
福岡市では1999年に発生した甚大な浸水被害を踏まえ,2000年に「雨水整備Doプラン」を策定し,主要な雨水排水施設(幹線管渠やポンプ場など)の整備を進めてきた。本機場(図1)についても,「雨水整備Doプラン」に基づき,箱崎周辺地区の浸水被害軽減を目的に新設されたポンプ場である。
本ポンプは,重要な構成部品の一つである水中軸受けがインペラ下部に設けられた新形状を特徴とし,点検の度に毎回ポンプを地上に引き上げる作業や,ポンプを分解して軸受を交換する作業が不要になった。維持管理作業の時間も短縮され,維持管理費用の大幅な低減を可能にした。
納 入 先:福岡市道路下水道局
口径・型式:1650 mm立軸斜流ポンプ 3台
要 項:436 m3/min×2.9 m×330 kW
(ガスタービン駆動)
図1 箱崎ポンプ場 Fig. 1 Hakozaki pump station
図2 搬入時の様子 Fig. 2 State at time of delivery
国内下水処理場向け曝気ブロワ2台を袖ヶ浦工場から出荷した。図1は,下水処理場向け曝気ブロワ(型式:350×300ⅧTBM(V))の外観である。
このブロワは,水処理反応槽の散気装置に空気を供給するものである。風量制御装置は省エネルギー効果の高いインレットベーン,潤滑油冷却には空冷式を採用している。
本ブロワ2台を同じ型式にすることで交換部品,予備品の共通化を行い信頼性の向上を図っている。また,現地据え付けに配慮し,既設基礎に合わせた本体設計を行った。
図1 国内下水処理場向け曝気ブロワ(型式:350×300ⅧTBM(V)) Fig. 1 Public Sewage Blower for Japan (Model 350×300ⅧTBM (V))
[エリオットグループ]
神奈川県横浜市の北部を通り,東名高速道路と第三京浜道路を結ぶ高速神奈川7号横浜北西線は,総延長7.1 kmのうち4.1 kmの区間が横浜北西トンネルとなる路線であり,2020年3月に開通した。
①排風機
トンネル換気設備と言われると,多くの方が“トンネル内を換気するための設備”とイメージするかもしれない。もちろん,このような役割もあるが,稼働頻度という観点で言えば,横浜北西トンネルの換気設備は“トンネル外(=トンネル出口付近)の周辺環境を保全するための設備”としての役割の比重が高い。そして,トンネル出口付近に設置した排風機を運転し,トンネル内の空気を換気所に引込むことで,出口部からトンネル内に向かう流れを作り出し,出口部から流出する空気量を規定量以下に抑制している。図1に換気設備の運転なし,図2に換気設備の運転ありの模式図を示す。
図1 換気設備の運転なし Fig. 1 No operation of ventilation equipment
図2 換気設備の運転(排風機) Fig. 2 Operation of ventilation equipment (axial flow fan)
②ジェットファン
ジェットファンは,運転方法と配置に特長がある。普段は,走行車両とは逆方向,すなわちトンネル内の空気の流れに逆らう方向,に運転することが多い。これは,排風機がトンネル出口部の空気を効率良く換気所内に引込むようにするためであり,排風機とジェットファンは連携して運転している(図3)。また,トンネル内を走行すると,天井から吊下げ設置しているジェットファンを目にするが,トンネル全長4.1 kmの中に分散配置されているのが分かる。経済性のみを考えれば,動力ケーブル長が短くなるよう換気所に近い坑口付近に集中的に配置するが,火災発生時の運用を考えての意図的な配置である。
図3 換気設備の運転(排風機+ジェットファン) Fig. 3 Operation of ventilation equipment (axial flow fan + jet fan)
納入先:首都高速道路㈱
口 径:2800 mm横型軸流排風機(図4) 4台
口 径:1250 mm高風速型ジェットファン(図5) 32台
図4 横型軸流排風機 Fig. 4 Axial flow fan
図5 高風速型ジェットファン Fig. 5 Jet fan
低圧損で低コストの新型換気用スプリッタ型サイレンサを開発し,首都高速道路㈱高速神奈川7号横浜北西線に納入した。
特徴1:低圧力損失で低周波の減音量向上
登録済みの特許技術を利用して,他社にない内部流路形状とすることで低圧力損失と減音量の向上を実現した。
特許技術の形状について,さらに流体解析により最適化(低圧力損失形状)することで圧力損失を低減し,一般的なスプリッタ型サイレンサに対して同条件で1/2以下とした。圧力損失の低減は送風機の動力費の低減やサイレンサの設置台数削減の効果があり,設備費・工事費の低減にも貢献することができた。また,一般的に低周波音の減音性能は圧力損失とトレードオフとなるがこれらを両立した。
特徴2:低コスト
設置個数の削減と合わせ,構造・材質等の最適化をはかり,大幅な製品のコストダウンも実現した。
納入先:首都高速道路㈱ 高速神奈川7号横浜北西線
東方換気所 196台
北八朔換気所 294台
図1 東方換気所に設置の新型サイレンサ Fig. 1 New silencer installed at Higashigata-Ventilation Station
用途:LNG(メタン)エキスパンダ(図1)
機名:LX12-07
要項:1203 m3/h×730.37 m×965 kW
用途:MR(混合冷媒)エキスパンダ
機名:LX17-05
要項:1731 m3/h×518.9 m×1526 kW
LNGエキスパンダは,LNG輸出ターミナルの長期的な運用と,健全なLNG需供バランスの維持に不可欠である。
当該LNG輸出ターミナルでは現在2トレインが稼働しており,設備能力は7.6 MTPAとなっている。そして間もなく建設が開始されるトレイン3が稼働すると,さらに設備能力が
3.8 MTPA増加する予定である。
LNGエキスパンダは設備能力増強に貢献し,当該LNG輸出ターミナルは今後の世界的なLNG需要の増加に対応してより多くのLNGを輸出することが可能となった。
図1 LNGエキスパンダ Fig. 1 LNG Expander
[エリオットグループ]
エリオットグループは,遠心式多段圧縮機58台,遠心式単段圧縮機6台,合計64台の圧縮機を出荷した。仕向け地別の出荷台数は,アジア32台,中近東8台,北南米14台,ヨーロッパ10台である。
図1は,韓国向け分解ガス圧縮機(Cracked Gas Compressor)の機能試験の様子である。
分解ガス圧縮機は,低圧,中圧,高圧の3台の圧縮機を連結して運転し,ナフサ及びガス・オイルなどの炭化水素をガス分留装置に送り込むために使用される。分留装置では石油化学基礎製品(エチレン,プロピレン,ブタジエン,ベンゼン,トルエン,キシレンなど)に仕分けされる。
図1 韓国向け遠心式多段圧縮機 連結機能試験 (型式 70MD2-2+70M4I+46M8) Fig. 1 String test of multi-stage centrifugal compressor for Korea (Model 70MD2-2 + 70M4I + 46M8)
[エリオットグループ]
エリオットグループは,石油精製・石油化学プラントのプロセスガス圧縮機駆動用に15台の多段蒸気タービンを出荷した。仕向け地別の出荷台数は,アジア9台,ヨーロッパ3台,中近東3台である。
図1は,韓国向け遠心式圧縮機駆動用多段蒸気タービン(型式 SNV-9)の連結機能試験の様子である。
この多段蒸気タービンは,カムリフトタイプのマルチガバナバルブを備える大出力抽気復水型タービンであり,回転数制御によって圧縮機の幅広い運転レンジに対応することができる。また,高圧・高温の蒸気に対応する高圧ケーシングと蒸気タービン入口側にエリオットグループ製T&Tバルブ(主塞止弁)を採用している。
図1 韓国向け多段蒸気タービン 連結機能試験(型式 SNV-9) Fig. 1 String test of multi-stage steam turbine for Korea. (Model SNV-9)
[エリオットグループ]
近年,中国北方地域で温水の大温度差に対応した吸収ヒートポンプの需要が急増している。また,吸収液に臭化リチウムを用いた吸収冷凍機の競争が激しい。このような背景の下,当社製品の競争力を強化するために,AE※上下2段(混合流)臭化リチウム吸収式ヒートポンプ/冷凍機を開発した。
※Aは吸収器(Absorber),Eは蒸発器(Evaporator)の略。
仕様
型 式:RHP080EX(図1)
暖 房 能 力:8 MW
外形寸法(L×W×H) :5900×2900×3550(mm)
特長
(1)AE缶胴は上下2段の新しい構造を採用し,従来機種RFH型に対して設置面積を35 %縮小化した。
(2)本機は高圧側と低圧側の溶液と冷媒を混合して循環させることで,キャンドモータポンプの数を削減し,コストダウンを実現した。
(3)構造がシンプルで製造リードタイムが短いため,従来機種RFH型の3/4に納期短縮が可能となった。
図1 AE上下2段(混合流)臭化リチウム吸収式ヒートポンプ/冷凍機 Fig. 1 AE two stage (Mixed flow) LiBr absorption heat pump / refrigerator
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
近年,中国の大形冷凍機市場は,低価格競争が激化している。高効率で低価格を実現した高効率ターボ冷凍機RTGC-C型を開発し,この度,初号機RTGC07C型を某自動化製造ラインメーカに納入した。
仕様
型 式:RTGC07C(図1)
冷凍能力:700USRT
(冷水温度:12 ℃→7 ℃,冷却水温度:32 ℃→37 ℃)
特長
(1)圧縮機の構造を改良することによって,鋳物製の圧縮機の重量削減。
(2)圧縮機にクローズドインペラを採用し,機械効率向上。
(3)エコノマイザの小型化,冷凍機の主要構成機器のレイアウト改善によって,従来機(RTGC-B型)よりも設置面積が3/4に削減。
(4)サブクーラ及び流量調節とホットガス機能を兼用したバイパス弁の採用による効率向上。
(5)熱交換器のチューブレイアウト,冷媒液分布機構,及びチューブサポートの新規設計による伝熱性能向上。
図1 高効率ターボ冷凍機RTGC07C型 Fig. 1 High efficiency centrifugal chiller model RTGC07C
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
上海西虹橋新エネルギー有限公司No.1エネルギーステーション(図1)の冷却設備用として,角形開放式クロスフロータイプ冷却塔を納入した。本設備は冷却塔設置スペースに制限があり,今回新しく開発した省スペース型CDW-H型冷却塔が採用された。
仕様
型 式:CDW-P5-HJ×3 1台
循環水入口,出口温度:38 ℃-32 ℃
湿 球 温 度:28.5 ℃
モ ー タ 出 力 :37 kW 3台
送 風 機 直 径 :3500 mm
特長
(1)充てん材は全段吊り方式を採用し,専用設計された充てん材のパターンと散水ノズルの構造改良による散布水分布の均等化により,水と空気の熱交換性能を最大化した。
(2)従来型の開放式クロスフロータイプ冷却塔よりも塔体を高くすることによって,冷却能力向上と省スペース化を実現した。
(3)充てん材及び散水用の大口径ノズルの材料をPVC化することで,耐久性及び洗浄性を向上させ,詰まりにくい構造を実現した。
図1 上海西虹橋新エネルギー有限公司 No.1エネルギーステーション Fig. 1 No.1 energy station of Shanghai Xihongqiao New Energy Co., Ltd
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
現在,中国国内では特殊ガラスファイバー業界が急速に発展している。淄博卓意玻駒材料有限公司は特殊ガラスファイバー生産ラインを新設し,当社はそのプロセス冷却用としてオールスチール製・角形密閉式クロスフロータイプ冷却塔オールスチール製・角形密閉式クロスフロータイプ冷却塔(図1)を納入した。
仕様
型 式:CXW-210ASSW×4 3台
循環水入口,出口温度:38 ℃-32 ℃
湿 球 温 度:28 ℃
型 式:CXW-210ASSW 2台
循環水入口,出口温度:42 ℃-32 ℃
湿 球 温 度:28 ℃
型 式:CXW-150ASSW×5 2台
循環水入口,出口温度:37 ℃-32 ℃
湿 球 温 度:28 ℃
特徴
(1)密閉式冷却塔の伝熱チューブの肉厚0.6 mmを採用し,耐圧能力が向上した。
(2)顧客仕様によりボルト類もステンレス製とし,外板の材質を亜鉛鋼板,ファンケーシング・散水装置部の材質は溶融亜鉛めっき鋼材の組合せとし,耐久性とリサイクル性が向上した。
(3)塔体間を仕切ることで,個別の清掃や運転が可能な構造とし,メンテナンス性が向上した。
(4)送風機の電動機及び散布水モータの電動機は,中国高効率規制対応のGB2級製品を採用し,省エネルギー性が向上した。
図1 オールスチール製・角形密閉式クロスフロータイプ冷却塔 Fig. 1 Cross flow closed all steel cooling tower
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
蘇州太湖エネルギーステーションにおいて,エンジン発電機からの排ガスを利用した吸収式冷温水機が採用され事務棟の夏季冷房,冬季暖房に使用されている。この吸収式冷温水機の冷凍容量不足のため,ターボ及びスクリュー冷凍機が増設された。その冷却設備として,オールスチール製・角形開放式クロスフロータイプ冷却塔(図1)が納入された。
仕様
型式:CDW-400ASY-C 2台
型式:CDW-600ASY-C×2 4台
型式:CDW-600ASY-C×3 5台
循環水入口,出口,湿球温度:37 ℃-32 ℃,28.6 ℃
特徴
(1)材質を外板は亜鉛鋼板,散水装置部はステンレス鋼板と溶融亜鉛めっき鋼材の組合せにより,耐久性とリサイクル性が向上した。
(2)オプション部品として,鋼板製の散水槽蓋,安全具として手摺,凍結防止ヒータと過熱検知用の温度センサー用取付座・液面計取付座,更に塔体の異常振動を感知するための振動スイッチ取付座を装備することで機能性,安全性が向上した。
(3)汚れなどによる充てん材の座屈防止や強度を向上させるため,吊り型でシート厚を標準仕様より厚い0.33 mmの充てん材とした。
図1 オールスチール製・角形開放式クロスフロータイプ冷却塔 Fig. 1 Cross flow open type all steel cooling tower
[荏原冷熱システム(中国)有限公司]
桑名広域清掃事業組合向け可燃ごみ焼却施設を納入し,2020年1月1日から当社子会社㈱くわなEサービス(SPC※)にて運営を開始した。
本事業は,三重ごみ固形燃料発電所の事業終了に伴い,同組合が可燃ごみ焼却施設の設計建設に加え,既存リサイクル施設等の運営を含めDBO方式で当社に委託したものである。
本施設は,最新技術を導入したストーカ式焼却システムを有し,一般廃棄物向けストーカ施設としては竣工時において国内初となる高温高圧ボイラ(6 MPa,450 ℃)の採用を採用し,高い発電効率を実現した。
また,焼却処理後に排出される灰や残渣は,太平洋セメント㈱や三重中央開発等で資源化を図っている。
環境啓発に関しては,大人も子供も楽しみながら学べる体験型の見学コースとしており,親しみの持てるキャラクターやストーリー性をもって学べるコンテンツの積極的な採用,説明を専門とするコンシェルジュの常勤等,見学サービスの充実を図っている。
具体的には,見学コンテンツ全体を一貫して絵本の世界のキャラクター(リサイクルの森に棲む妖精)が語りかける形で3R(リデュース,リユース,リサイクル)の大切さを学べるものとし,焼却炉室最上階に設置した天空シアターで,映像による絵本の世界の焼却場を舞台にごみ処理のしくみをわかりやすく説明し,発電や設備の大きさ等を体感できるアイテムも見学コースに配置している。
これらの取組は,SDGsにある17の目標のうち,5つ(4「質の高い教育をみんなに」,7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」,8「働きがいも経済成長も」,9「産業と技術革新の基盤をつくろう」,11「住み続けられるまちづくりを」)の実現に寄与している。
当社は本施設の運営を通じ,安心・安全かつ経済的な廃棄物処理サービスを提供するとともに,地域の方々に愛される施設を目指していく所存である。
施設概要(可燃ごみ焼却施設)
焼却炉方式:全連続燃焼式ストーカ炉
処 理 能 力:174 t/d(87 t/d×2炉)
燃焼ガス冷却方式:廃熱ボイラ(自然循環式水管ボイラ)
蒸気条件 6.0 MPa×450 ℃
蒸発量 11.7 t/h×2缶
排ガス処理設備:ろ過式集じん器
発 電 能 力:3080 kW
㈱くわなEサービスは,本事業を遂行するために荏原環境プラント㈱が100 %出資して設立した特別目的会社である。
図1 桑名広域清掃組合 可燃ごみ焼却施設 Fig. 1 General view of waste incineration facility
図2 見学者通路(渡り廊下) Fig. 2 Visitor route
図3 天空シアター(6F) Fig. 3 Visitor theater (6th floor)
[荏原環境プラント㈱]
ソヤノウッドパワー㈱(長野県塩尻市)にバイオマス発電施設(最大連続蒸発量69 t/h×発電出力14500 kW)を2020年10月15日に納入した(図1)。本施設はICFB®内部循環流動床ボイラを採用し,年間約95百万kWh(一般家庭約3万2千世帯分相当の年間電力消費量)の発電能力を有している。3段抽気タービンの採用や空冷式復水器の高真空度化により発電効率の向上を図っており,年間を通じ高効率発電を実現している。
長野県域山林に残置されてきた間伐材等の未利用材や木材加工施設から発生する製材端材を燃料として使用することにより,カーボンニュートラルを実現し,SDGsで示される目標7「再生可能なエネルギー」達成に加え林業再生や地域の活性化に貢献している。
ICFBは,荏原環境プラント㈱の日本における登録商標である。
図1 ソヤノウッドパワー バイオマス発電施設外観 Fig. 1 General view of SOYANO WOOD POWER biomass-burning power plant
[荏原環境プラント㈱]
佐久市・北佐久郡環境施設組合(組織市町:佐久市,軽井沢町,立科町,御代田町)より,2016年に受注した佐久平クリーンセンター(図1)の建設工事が2020年11月30日に竣工した。
本施設はごみ処理の広域化を推進するために,佐久市内にある既存施設(佐久クリーンセンター,川西清掃センター)を統合した。最新式のHPCC®21ストーカ式焼却システム(55 t/d×2炉)が採用された。また,4 MPa×400 ℃ボイラの導入により最大1980 kWの発電を行い,施設内の動力に使用するほか,余剰電力を売電している。
また,スキー場に隣接する全国でも数少ない施設であり,周辺環境や景観への配慮に重点が置かれ,森林環境と調和した色彩やレンガ調の外壁,分節化したデザインによる圧迫感の低減等,デザイン性への配慮と共に,工事による周辺環境への影響をできる限り抑える取り組みを行うなど,地域に根差した施設となっている。
HPCCは,荏原環境プラント㈱の日本における登録商標である。
図1 佐久平クリーンセンター 施設外観 Fig. 1 Exterior view of Sakudaira Clean Center
[荏原環境プラント㈱]
近年,国内のごみ処理施設では,ストックマネジメント事業の考えに基づき老朽化した既存施設を整備し,機能回復と耐用年数を伸長させる延命化工事の需要が高まっている。
1983年度に竣工した藤沢市石名坂環境事業所における延命化工事では,次の主な対策を講じることによって,施設を使用しながら自治体のごみ処理計画に与える影響が最小限となるよう配慮した。
・復水器の管束更新に大型オールテレーンクレーンを使用
・排ガス冷却器の伝熱管更新に取込用鋼台を工場棟外面に設置
・クレーン作業は,周回道路を通行止めにできる平日夕方以降や週末に限定実施
概要
工 事 名:石名坂環境事業所整備工事
処理能力:260 t/d(130 t/d×2炉)
発電能力:2100 kW
工事期間:2018年5月16日~2020年3月31日
発注方式:特命随意契約
工事内容:タービン排気復水器更新,タービン発電機更新,蒸気タービンロータ更新,ボイラー水管更新等
図1 復水器本体更新 Fig. 1 Renewal of condenser
[荏原環境プラント㈱]
中国福建省 厦門東部二期ごみ焼却施設にストーカ式焼却設備を2020年10月に納入した(図1)。施設規模は公称750 t/d×2炉=1500 t/dである。荏原グループは,ごみ焼却関連設備の基本設計を行うとともに,焼却炉周りの主要機器を納入した(表1)。
本施設は,当グループ初の1炉750 t/d規模の焼却炉であるが,契約上120 %負荷の連続運転が要求されているため,1炉当たり実質900 t/dの処理能力を有している。
当グループは中国において本施設を含め約30施設の大型ストーカ焼却炉を納入しており,蓄積した技術的ノウハウを生かした設計を行うことで,中国のごみに十分適応した900 t/d規模焼却炉を実現し,施設の安定運転に貢献した。
図1 厦門東部二期ごみ焼却施設 Fig. 1 Xiamen City east waste incineration plant (on 2nd delivery)
事業主 | 厦門市環境能源投資発展有限公司 | ||
施設名称 | 厦門東部ごみ焼却発電プラント二期工程 | ||
焼却炉 | エバラHPCC型ストーカ式焼却炉 | 蒸気利用※2 | 蒸気タービン発電 (18 MW×2基) |
公称処理量:1500 t/d(750 t/24 h×2炉) 最大処理量:1800 t/d(900 t/24 h×2炉) |
排ガス処理設備※1 | NOx除去方式: 無触媒脱硝+触媒脱硝 (SNCR+SCR) |
|
ボイラ※1 | 自然循環テールエンド型水管ボイラ | HCl・SOx除去方式: 半乾式+乾式+湿式 |
|
蒸発量:85.1 t/h/缶 | 集じん方式:バグフィルタ | ||
蒸気条件:400 ℃×4.0 MPaG | ダイオキシン類対策:活性炭噴霧 |
荏原グループ所掌:基本設計。客先所掌:購入。
客先所掌。
山西省 太原ごみ焼却施設
焼却炉:エバラHPCC型ストーカ式焼却炉
処理量:1500 t/d(500 t/d×3炉)
2020年12月納入
図2 太原ごみ焼却施設 Fig. 2 Taiyuan City waste incineration plant
河南省 新郷ごみ焼却施設
焼却炉:エバラHPCC型ストーカ式焼却炉
処理量:1500 t/d(750 t/d×2炉)
2020年11月納入
図3 新郷ごみ焼却施設 Fig. 3 Xinxiang City waste incineration plant
福建省 漳州二期ごみ焼却施設
焼却炉:エバラHPCC型ストーカ式焼却炉
処理量:750 t/d(750 t/d×1炉)
2020年11月納入
図4 漳州二期ごみ焼却施設 Fig. 4 Zhangzhou City waste incineration plant (on 2nd delivery)
河南省 南陽ごみ焼却施設
焼却炉:エバラHPCC型ストーカ式焼却炉
処理量:1000 t/d(500 t/d×2炉)
2020年10月納入
図5 南陽ごみ焼却施設 Fig. 5 Nanyang City waste incineration plant
[荏原環境プラント㈱]
[青島荏原環境設備有限公司]
乳製品加工会社の乳酸を主成分とする廃水を嫌気発酵させ,メタンガスとしてエネルギー回収する廃水処理装置(=担体EGR)の1号機(図1)を納入した。リアクターはCFD(数値流体力学)解析技術を用いて開発され,2019年4月の稼働以降,負荷変動に対しても安定した性能を発揮している。
図1 担体EGR処理装置1号機 Fig. 1 New EGR plant
装置概要
納 入 先:乳製品加工会社
工 期:2019年1月~2019年3月
処 理 能 力:92 m3/d
CODcr容積負荷:19 kg/(m3・d)
CODcr除去実績:S-CODcr 90 %以上
特長
(1)従来技術は菌体濃度を維持するために“グラニュール汚泥”を形成できる廃水のみに適用可能であったが,リアクター内部にメタン菌を担持できるメディアを充填することでグラニュール形成を阻害する有機性廃水に対しても適用可能となった。
(2)CFD解析技術を駆使し,リアクター内にバイオガスを利用した流動化ゾーンと固液分離させる静置ゾーンを形成させ,シンプルな装置を実現した。
図2 フローシート Fig. 2 Flow sheet
[水ingエンジニアリング㈱]
飲料工場の既設排水処理設備の能力アップを目的に,Bio-Compact®を用いた排水処理設備の1号機を納入した。Bio-Compact®は食物連鎖を利用した生物処理プロセスであり,従来の標準活性汚泥法と比較して余剰汚泥発生量を削減することができる。
設備概要
納 入 先:飲料工場
稼働開始 :2020年12月末
処理方式 :高負荷曝気槽(図1)+流動担体槽
設計処理量:600 m3/d
設計水質 :BOD 1580 mg/L→320 mg/L
特長
(1)余剰汚泥の発生量が少なく,汚泥処分費が削減できる。
(2)高負荷槽で活性の高い微生物量が安定維持されるため,負荷変動に対応できる。
(3)糸状性細菌の増殖が抑制され,沈降性の良いフロックが形成される。
(4)低負荷槽は,各種生物処理プロセス(活性汚泥法,流動担体法,MBR(膜分離活性汚泥法))が適用できる。
図1 高負荷曝気槽 Fig. 1 Reactor
[水ingエンジニアリング㈱]
最終処分場浸出水中のホウ素が選択的に吸着除去できるカートリッジ式吸着材ボロナックス®を㈱イー・シー・イーと共同開発した。カートリッジ収納容器や通水制御システムも開発し,処理装置第1号機(図1)を納入した。
装置概要
納入先:最終処分場浸出水処理施設
処理水量:60 m3/日
処理原水:活性炭処理水
処理濃度:12 mg-B/L→0.1 mg-B/L以下
特長
(1)処理濃度0.1 mg-B/L以下とホウ素を低濃度まで除去可能
(2)使用済みボロナックス®は通水運転中でも交換可能で,人力での交換作業が容易
(3)ボロナックス®は乾燥状態での保管ができ,約3年は性能を保持
(4)ボロナックス®は再生・繰り返し使用が可能
図1 ホウ素除去装置1号機とボロナックス<sup>®</sup> Fig. 1 Boron removal device No.1 and Adsorbents
[水ingエンジニアリング㈱]
藤沢工場ものづくり50年の歴史
1966年頃の藤沢工場
縁の下の力持ち 高圧ポンプ -活躍場所編ー
100万kW火力発電所内で活躍する50%容量ボイラ給水ポンプ
RO方式海水淡水化用大容量、超高効率高圧ポンプの納入
長段間流路内の流線と後段羽根車入口の流速分布
縁の下の力持ち ドライ真空ポンプ -真空と真空技術の利用ー
真空の領域と用途例
座談会 エバラの研究体制
座談会(檜山さん、曽布川さん、後藤さん)
縁の下の力持ち 標準ポンプ -暮らしを支えるポンプー
標準ポンプの製品例
座談会 未来に向け変貌する環境事業カンパニー
座談会(三好さん、佐藤さん、石宇さん、足立さん)
世界市場向け片吸込単段渦巻ポンプGSO型
GSO型カットモデル
エバラ時報に掲載の記事に関する不明点やご相談は、下記窓口よりお問い合わせください。
お問い合わせフォーム