半導体製造技術の進化やデバイスの3次元化に伴い,エッチングや成膜装置に付帯するドライ真空ポンプには,広範囲のプロセスでの安定稼働,小型・省エネルギー性能及びジャストインタイムでの納入が求められる。
当社はこれらの要求に対応するため,ポンプモジュールと全体パッケージに新たな設計思想を取り入れたドライ真空ポンプEV-X型を製品化した。
特長
(1)幅広いプロセスカバレッジ
大容量メインポンプと当社独自の副生成物対策によって,イオン注入などの低ガス流量プロセスから,エピタキシャル成長などの大ガス流量プロセス,副生成物が発生する成膜プロセスまで,幅広いプロセスに対応する。予備機在庫の削減及び将来的なプロセスの拡張にも対応可能となる。
(2)新開発モジュラー設計による小型化・短納期化
自動化工場での製造に最適化されたモジュラー設計によってリードタイム短縮と小型化を実現した。装置台数・チャンバ数増加に伴い,圧迫されるサブファブスペースの効率的で柔軟なレイアウトが可能となる。
(3)TCO削減と環境負荷の低減を両立
当社独自のローター設計・省エネルギー化技術を用いて,当社現行機種に比して25~50 %の低消費電力を実現した。これによってCO2削減に貢献する。また,プロセスごとの最適な温度制御によってプロセス耐性が向上するため,部品の交換周期長期化によって,TCO(Total Cost of Ownership) 削減に貢献する。
図1 ドライ真空ポンプEV-X型 Fig. 1 Dry vacuum pump model EV-X
型式 | EV-X100N | EV-X200N | EV-X300N | |
排気速度 | L/min | 10 000 | 20 000 | 30 000 |
到達圧力 | Pa | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
消費電力※ | kW | 0.9 | 1 | 1.5 |
電源仕様 | 3相200-220 V(50/60 Hz) |
房総導水路は,房総半島への水需要の増加に対応するため,利根川の水を南房総地域の大多喜町までの全長約100 kmもの長い距離を運び,必要な地域での水不足の心配をなくし,人々の暮らしを支えている水路である。大網揚水機場(図1)は横芝揚水機場から揚水された水を,房総導水路を経由して長柄ダムに揚水する施設である。
図1 大網揚水機場 Fig. 1 Oami water supply pump station
大網揚水機場は1980年に完成し,通水を開始した。通水開始から,40年強が経過し,房総導水路への安定した揚水供給機能を維持するため,老朽化したポンプ設備のシステム設計・製作・整備・据付を含む改修工事を実施した揚水施設である。図2に房総導水路の断面図を示す。
図2 房総導水路断面図 Fig. 2 Boso Canal diagram cross section
本ポンプは工場分解整備に加え,軸封方式をグランドパッキン式から無注水軸封方式に改造して維持管理性向上を図った。
今回の改修工事の範囲を下記に示す。
・導水路ポンプ:整備・改造×2台(既設3台)
・導水路ポンプ用電動機:更新×2台
・導水路ポンプ用速度制御装置:新設×2台
・配管・弁類:更新・整備
・系統機器設備:更新・整備
・電源・操作制御設備:更新
・遠方監視操作制御設備:整備
・付属設備:更新・整備
納入先:水資源機構
口 径:1 200 mm 横軸両吸込渦巻ポンプ 2台
要 項:260 m3/min×74 m×3 870 kW(電動機駆動)
関東農政局栃木南部農業水利事業所は,栃木南部の栃木市・小山市・下都賀郡野木町にまたがる農業地帯の湛水被害軽減を進めてきた。本機場は,近年の集中豪雨多発による排水処理能力の不足,既設老朽化による機能低下がもたらす湛水被害の軽減を目的に新設された排水機場である。
本ポンプは,重要な構成部品の一つである水中軸受がインペラ下部に設けられた新形状を特徴とし,点検の度に毎回ポンプを地上に引き上げる作業や,ポンプを分解して軸受を交換する作業が不要になった。維持管理作業の時間も短縮され,維持管理費用の大幅な低減を可能にした。
納 入 先:関東農政局 栃木南部農業水利事業所
口径・型式:1 350 mm立軸斜流ポンプ(図1) 1台
要 項:5 m3/s×5.2 m×404 kW(エンジン駆動)
図1 ポンプ搬入作業 Fig. 1 Pump carry-in work
三重県川越町の朝明ポンプ場は伊勢湾に面した場所に位置しており,雨水幹線を通して吸水槽へ流れた雨水を雨水ポンプにより伊勢湾へ排水することで,川越町及び四日市市の一部地域を豪雨による浸水被害から守るため稼働している雨水ポンプ場(図1)である。
図1 朝明ポンプ場 Fig. 1 Asake pump station
今回,納入後約40年経過し老朽化していたポンプ設備の更新を行うにあたり,従来よりも更に「運転水位を下げたい」とのニーズを実現するため,既設吸水槽土木構造への渦対策を不要とし,ポンプ本体のみで低水位化を実現する新技術を採用した。
納 入 先:四日市市上下水道局
口径・形式:1 200 mm立軸斜流ポンプ(図2) 1台
1 350 mm立軸斜流ポンプ 1台
要 項:215 m3/min×6.7 m×400 kW
293 m3/min×6.6 m×495 kW
図2 ポンプ据付後の様子 Fig. 2 State after pump installation
島根県松江市は宍道湖に面し,松江城堀川から広がる水路が横断する水の都とも呼ばれている。大橋川北地区は平地を利用した宅地化が進み,大雨が降ると排水機場の能力が追い付かず浸水被害が発生するなどの課題が生じていた。そこで,浸水被害の低減を図ることを目的として,新設排水機場に排水能力毎秒5 m3のポンプ1台を納入し,既設機場から移設した横軸軸流ポンプ2台と合わせて設備の増強を行った。
今回納入した立軸軸流ポンプの吐出しエルボは減速機搭載型として機場建屋のコンパクト化を図り,建設コストを削減することができた。また,本機場の取扱液質は汽水となるためポンプ部品は耐腐食性を考慮した材質を採用し,犠牲陽極も設けて腐食対策を図っている。
口 径:1 350 mm減速機搭載型立軸軸流ポンプ 1台
要 項:5.0 m3/s×3.1 m×280 kW(巻線形電動機)
図1 上追子川排水機場 Fig. 1 Kamioikokawa drainage pump station
本ポンプ場は,広島市中区の東部を流れる京橋川が広島湾と接する河口付近に位置し,千田地区約504ヘクタールの浸水解消を目的とした排水設備で,ポンプが地下25.4 mに設置され,千田地区にある下水道管で集められた遠方の雨水を地下トンネルにより導き排水する大容量·高揚程の大深度地下機場である。
ポンプには急な豪雨対応として雨水がポンプ機場に流れ込む前に水位にかかわらず全速で待機運転ができる全速全水位先行待機型が採用され,今回の増設工事により,本機場の総排水能力は従来の1.4倍(総排水量:2 016 m3/min)となっている。
納入先:日本下水道事業団/広島市下水道局
口 径:2 000 mm 立軸渦巻斜流ポンプ (全速全水位先行待機型)(図1) 1台
要 項:588 m3/min×25.5 m×3 620 kW(エンジン駆動)
図1 新千田ポンプ場 Fig. 1 Shinsenda pump station
岡東ポンプ場(図1)は,岡山市を流れる百間川の河口に隣接した六番川遊水地の水を児島湾へ排水する雨水排水ポンプ場である。既設470 m3/min立軸斜流ポンプ3台は,設置から30年以上経過したディーゼルエンジン駆動のポンプ設備であり,今回3台中2台を更新した。併せて老朽化した冷却水系統や燃料系統の補機設備も更新を行った。
大規模な地震による変位や構造物の不同沈下によってポンプが傾くと軸受損傷等による故障が生じるため,更新したポンプは,水密を保持したままポンプ水平度を容易に修正できるフレキシブルベース付ポンプを採用した。
納入先:日本下水道事業団/岡山市下水道河川局
口 径:1 800 mm 立軸斜流ポンプ 2台
要 項:470 m3/min×5.6 m×640 kW
図1 岡東ポンプ場 Fig. 1 Koutou drainage pump station
国内下水処理場向け曝気ブロワ3台,国内製鉄所向けコークスオーブンガス排送ブロワ1台の計4台を出荷した。
図1は,下水処理場向け曝気ブロワ(型式:200TE02M)の外観である。
このブロワは,水処理反応槽の散気装置に空気を供給するものである。
羽根車を歯車増速装置のピニオン軸の軸端に直接取り付けた形式で,風量制御装置は省エネルギー効果の高いインレットベーンを採用し,潤滑油冷却には水冷式を採用している。
羽根車はアルミニウム合金を採用し,3次元形状で高精度に削り出すことで高効率を実現している。既設基礎に合わせた本体設計を行い,現地据え付けに配慮した設計としている。
図1 国内下水処理場向け曝気ブロア(200TE02M型) Fig. 1 Public Sewage Blower for Japan (Model 200TE02M)
立軸斜流ポンプ(図1) 3台
口径:2 000 mm
要項:504 m3/min×4.45 m×504 kW
本ポンプは,日本国内向けの雨水排水ポンプである。
特徴
(1)水中軸受にドライ始動可能なセラミックス軸受を採用した。
(2)無注水メカニカルシール及び空冷スラスト軸受を採用した。
(3)(1),(2)の採用により,現地で必要な潤滑水や冷却水などのユーティリティの量が低減され,付帯設備の一部を削減することができた。
図1 2 000 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 2 000 mm vertical mixed flow pump
立軸斜流ポンプ(図1) 1台
口径:1 200 mm
要項:204 m3/min×20.5 m×910 kW
水中軸受にゴム軸受,軸封部にグランドパッキンを採用している汚水排水ポンプである。
特徴
(1)汚水に含まれる異物により,ポンプ内部で発生する絡まりや詰まりを防止する対策を施した構造である。
(2)ポンプ据付フロアと駆動機据付フロアが異なる二床式を採用し,1つの床に作用する荷重を小さくする構造である。
図1 1 200 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 1 200 mm vertical mixed flow pump
立軸軸流ポンプ(図1) 2台
口径:1 650 mm
要項:476.4 m3/min×11.7 m×1 270 kW
本ポンプは,水中軸受にセラミック軸受,軸封部にフローティングシールを採用した無注水仕様の雨水排水ポンプである。
都市部の豪雨による異常出水時は,ポンプ取扱液中に土砂やゴミが混入するが,セラミック軸受は耐スラリー性に優れるため,摺動部品の消耗が少なく,メンテナンス周期の延長に効果的である。
フローティングシールは非接触シールであり,二段構造とすることで漏水を低減させている。スラスト軸受は軸に取り付けたファンによって,自ら冷却し運転中の温度上昇を防止している。
図1 1 650 mm 立軸軸流ポンプ Fig. 1 1 650 mm vertical axial-flow pump
横軸斜流ポンプ(図1) 2台
口径:1 350 mm
要項:246 m3/min×4.8 m×280 kW
本ポンプは,近年の集中豪雨による農地でのたん水被害防止を目的とした排水ポンプである。
本ポンプは主要部品が全て床上にあり,且つ上下二つ割ケーシング構造のため,分解・組立が容易に行えるメンテナンス性に優れた特徴を有する。また,軸封部には無注水のメカニカルシールを採用する事でメンテナンス性に一層配慮した構造になっている。
使用先においては,同口径2台の排水ポンプによって雨量に合わせた台数制御により排水量の調整を行っている。
図1 1 350 mm 横軸斜流ポンプ Fig. 1 1 350 mm horizontal mixed flow pump
水中モータポンプ(図1) 30台
口径:200 mm
要項:5 m3/min×10 m×12 kW
集中豪雨による浸水などの緊急時に駆けつける排水ポンプ車や可搬式の操作盤一体型キャビネット(排水ポンプパッケージ)等の可搬式排水ポンプ設備用水中モータポンプである。
永久磁石同期モータを採用した小型軽量ポンプであり,2台のポンプを直列に接続して運転が可能である。
また,低水位対応用の吸込ベルを使用することによって,低水位でも排水を可能とした。
図1 200 mm 排水ポンプ車用水中モータポンプ Fig. 1 200 mm bore submersible motor pump for emergency drain pump truck
立軸斜流ポンプ(図1) 12台
口径:1 350 mm
要項:295 m3/min × 23.4 m × 1 600 kW
フィリピンの火力発電所向け循環水ポンプであり,取扱液は海水のため腐食対策としてケーシングに二相ステンレス鋼板を使用した製缶製ポンプである。軸封部にグランドパッキン,水中軸受に樹脂軸受を採用し,無注水仕様としたである。
本ポンプはグループ会社のEbara Vietnam Pump Company Limitedと連携して生産した製品である。
図1 1 350 mm 立軸斜流ポンプ Fig. 1 1 350 mm vertical mixed flow pump
二重胴型高圧ポンプ(図1) 2台
要項:207 m3/h×3 612 m×1 760.1 kW
海外の肥料プラント向け高圧アンモニアポンプである。
小水量・高揚程仕様のため,多段(羽根車段数10段),且つ高回転数のポンプ選定とした。
高圧の液体アンモニアを取り扱うのでケーシングは二重胴構造,軸封はダブルメカニカルシールを採用している。
図1 二重胴型高圧ポンプ Fig. 1 Double Casing High Pressure Pump
一重胴輪切高圧ポンプ(図1) 2台
要項:114 m3/h×1 464 m×950 kW
海外の肥料プラント向けカーバメートポンプである。
肥料プラントにおいて,アンモニアと二酸化炭素を高温高圧下で反応させ尿素肥料を製造する。カーバメートポンプは,この過程で生成される中間体のカーバメートを反応塔で循環させるポンプである。
カーバメートは腐食性が極めて高いので,ポンプおよび本液系配管は全て高級ステンレスを採用している。
図1 一重胴輪切高圧ポンプ Fig. 1 Single Casing Radial Split Type High Pressure Pump
一重胴水平割型動力回収タービン(図1) 1台
要項:2 235 m3/h×162 m×830 kW
海外のアンモニアプラント向け動力回収用タービンである。
アンモニア生成プロセスにおいて,化学液が持つ余剰圧力エネルギーを回収するポンプ逆転水車を用いた動力回収タービンである。余剰圧力エネルギーを本タービンによって回転動力に変換し,カムクラッチを介してモータに伝達し,プロセス用ポンプを駆動する補助動力としている。アンモニアプラントの省エネに大きく貢献している。
図1 一重胴水平割型動力回収タービン Fig. 1 Single Casing Axial Split Type Power Recovery Turbine
立形多段ポンプ(図1) 1台
要項:468.4 m3/h×165.2 m×420 kW
国内の地熱バイナリー発電用熱媒体循環ポンプである。
地熱発電の熱源である地熱水は,熱量が変動しやすい。地熱水から蒸発器への入熱量が変動すると,熱媒体の過熱度が不安定となり,発電タービンの安定稼働を阻害する。入熱量に応じて本ポンプをインバータ制御にて回転速度を可変にし,熱媒体の圧力を制御し送液することで,安定した発電を実現している。
また,熱媒体を充填する前に系内を真空にする必要があるため,メカニカルシールに大気吸込み防止用の機構を付属している。
図1 立形多段ポンプ Fig. 1 Vertical Suspended Multistage Pump
一重胴垂直割型プロセスポンプ(図1) 1台
要項:900 m3/h×65 m×280 kW
本ポンプは,国内の化学プラント向けのプロセスポンプである。納入先において強酸性で腐食性が高い液環境下での安定稼働が求められることから,ポンプ材料に耐食性と強度に優れた純チタンを採用し,高い耐腐食性を実現した。
チタンは大気中では非常に酸化しやく真空で鋳造する必要がある。また,加工中に切り粉が発火する可能性があることから,チタンは鋳造や加工が難しいため高い製造技術力を必要とするポンプである。
図1 一重胴垂直割型プロセスポンプ Fig. 1 Single Casing Radial Split Type Process Pump
欧州は早くから環境問題に積極的に取り組む姿勢を明確にしており,市場ニーズとして省エネ運転,最適制御があり,ポンプ駆動にインバータを使用して省エネ運転を行う事例が増えている。このようなニーズに応えるため,EBARA Pumps Europe S.p.A.は,欧州向けにインバータ一体型モデルの立型多段ポンプEVMS-K型を発売した。
EVMS-K型は柔軟性が高く,販売店にEVMS型ポンプ,専用VFD,並びにアダプター部品を在庫することで,お客様の要望に応じて販売店でEVMS-K型を製造・出荷が可能であり,専用VFDなので,客先でEVMS型ポンプにスムーズにセッティングすることも可能である。
仕様
口 径:25-50 m
吐出し量:480 L/min
全揚程:243 m
用 途:増圧給水,工業,かんがいなど
図1 EVMS-K型の写真 Fig. 1 Picture of Model EVMS-K
[Ebara Pumps Europe S.p.A.]
製品名 | 種類 | 機名型式 | 台数 | 口径 | 原動機出力 | 要項 |
排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 2000VZGE | 1 | 2 000 mm | 500 kW | 504 m3/min×4.45 m |
排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1000VZGM | 1 | 1 000 mm | 145 kW | 133.0 m3/min×4.58 m |
排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1200VZGE | 1 | 1 200 mm | 184 kW | 163.0 m3/min×4.48 m |
排水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 900VZGM | 1 | 900 mm | 85 kW | 111 m3/min×3.1 m |
排水ポンプ | 立軸軸流ポンプ | 800VSGE | 1 | 800 mm | 100 kW | 110 m3/min×3 m |
排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1500HZGM | 1 | 1 500 mm | 160 kW | 246 m3/min×2.8 m |
排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1500HZGE | 2 | 1 500 mm | 161 kW | 246 m3/min×2.8 m |
排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1350HZGM | 2 | 1 350 mm | 280 kW | 246.0 m3/min×4.8 m |
排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1200HZGE | 4 | 1 200 mm | 147 kW | 180 m3/min×3.1 m |
排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 1600HZGM | 1 | 1 600 mm | 400 kW | 330 m3/min×5.1 m |
排水ポンプ | 横軸斜流ポンプ | 700×600HZGE | 1 | 700 mm×600 mm | 90 kW | 60 m3/min×6 m |
排水ポンプ | 水中ポンプ | 200DSZT | 30 | 200 mm | 12 kW | 5.0 m3/min×10 m |
雨水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1650VZGE | 1 | 1 650 mm | 1 270 kW | 476.4 m3/min×11.7 m |
汚水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 500VZM | 1 | 500 mm | 160 kW | 33.3 m3/min×20 m |
汚水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 500VZM | 1 | 500 mm | 37.0 kW | 30.0 m3/min×4.68 m |
汚水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1200VZM | 1 | 1200 mm | 910 kW | 204 m3/min×20.5 m |
汚水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 500VZM | 1 | 500 mm | 55 kW | 30 m3/min×6.5 m |
揚水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 600×350CDM | 1 | 600 mm×350 mm | 1 600 kW | 52.56 m3/min×143 m |
揚水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 600×500CFNM | 1 | 600 mm×500 mm | 170 kW | 44.76 m3/min×18 m |
送水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 500×450CENM | 1 | 500 mm×450 mm | 160 kW | 31.8 m3/min×20 m |
送水ポンプ | 一重胴水平割型多段ポンプ | 300×250SPL2E | 1 | 300 mm×250 mm | 790 kW | 10 m3/min×260 m |
送水ポンプ | 水中ポンプ | 350BSY | 1 | 350 mm | 160 kW | 15.0 m3/min×44 m |
取水ポンプ | 水中ポンプ | 400BHS | 1 | 400 mm | 200 kW | 20.37 m3/min×42 m |
海水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1350VZM | 1 | 1 350 mm | 1 250 kW | 295 m3/min×23.4 m |
海水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1350VZM | 3 | 1 350 mm | 1 250 kW | 295 m3/min×23.4 m |
海水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1350VZM | 3 | 1 350 mm | 1 250 kW | 295 m3/min×23.4 m |
海水ポンプ | 立軸斜流ポンプ | 1350VZM | 3 | 1 350 mm | 1 250 kW | 295 m3/min×23.4 m |
海水取水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 600×500CENM | 1 | 600 mm×500 mm | 360 kW | 41.7 m3/min×13 m |
海水取水ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 500×400CW10FM | 1 | 500 mm×400 mm | 150 kW | 31.7 m3/min×20 m |
冷却水循環ポンプ | 横軸両吸込渦巻ポンプ | 800×500CW10GM | 2 | 800 mm×500 mm | 730 kW | 90 m3/min×40 m |
水添フィードポンプ | 二重胴水平割型多段ポンプ | 6×8×13-9stg HDB | 1 | 250 mm×200 mm | 2 800 kW | 7 m3/min×2017 m |
動力回収タービン | 二重胴水平割型多段ポンプ | 6×8×13-10stg HSB | 1 | 200 mm×200 mm | 705 kW | 5.88 m3/min×1927 m |
カーバメイトポンプ | 一重胴輪切型多段ポンプ | 150×125SSP6GM | 1 | 125 mm×100 mm | 597 kW | 1.52 m3/min×1067 m |
デブタナイザ―塔ボトムポンプ | 両吸込渦巻ポンプ | 250×200KSM | 2 | 250 mm×200 mm | 112 kW | 7.68 m3/min×102.7 m |
ヘビーディーゼルポンプ | 横軸両吸込2段渦巻ポンプ | 80×50R2M | 1 | 80 mm×50 mm | 30 kW | 0.49 m3/min×137.5 m |
熱媒ヒータドレンポンプ | 片持横軸渦巻ポンプ | 40×25UCWM20 | 2 | 40 mm×25 mm | 11 kW | 0.233 m3/min×68.4 m |
再生廃液中和ポンプ | 片持横軸渦巻ポンプ | 150×100UCWM | 1 | 150 mm×100 mm | 7.5 kW | 1.67 m3/min×13.6 m |
アミンポンプ | 片持横軸渦巻ポンプ | 150×100UCWM | 1 | 150 mm×100 mm | 11 kW | 1.54 m3/min×21.95 m |
復水ポンプ | 片持横軸渦巻キャンドモータポンプ | 40×25UCWC | 4 | 40 mm×25 mm | 1.5 kW | 0.078 m3/min×20.5 m |
アンモニアポンプ | 立軸多段ポンプ | 250×150VPCS4M | 2 | 250 mm×150 mm | 85 kW | 3.83 m3/min×110 m |
排水ポンプ(プロセス) | 立軸多段ポンプ | 50VPSM222 | 1 | 50 mm | 5.5 kW | 0.25 m3/min×35.9 m |
排水ポンプ(プロセス) | 立軸多段ポンプ | 50VPSM218 | 1 | 50 mm | 5.5 kW | 0.08 m3/min×25.8 m |
排水ポンプ(プロセス) | 立軸多段ポンプ | 50VPSM222 | 1 | 50 mm | 7.5 kW | 0.28 m3/min×38.1 m |
排水ポンプ(プロセス) | 立軸多段ポンプ | 50VPSM220 | 1 | 50 mm | 5.5 kW | 0.06 m3/min×38.1 m |
排水ポンプ(プロセス) | 立軸多段ポンプ | 40VPSS5M23 | 1 | 40 mm | 7.5 kW | 0.073 m3/min×62.6 m |
管内クーラ | 管内クーラ | KCS-1200A | 4 | 1 200 mm | - | - |
排水ポンプ用流体継手 | 流体継手付直交軸傘歯車減速機 | GCK125-D71 | 1 | - | 1 175 kW | - |
ファンポンプ用流体継手 | 流体継手 | HCLV75 | 1 | - | 250 kW | - |
1,用途:LP LNGポンプ(インタンク式)
型式:6ECR-152
仕様:275.4 m3/h×285 m×165 kW
数量:3基
2,用途:HP LNGポンプ(サクションポット式)
型式:6ECC-1514
仕様:215 m3/h×1 836 m×785 kW
数量:3基
エリオットグループのクライオダイナミックプロダクツ(CP)は,韓国EPCを通じてベトナムのLNG受入基地に6台のクライオポンプを納入した。このLNG基地は,ベトナムでは初の試みとなる,排出量を削減しながらエネルギー供給力を向上させる液化天然ガス(LNG)に焦点を当てたもので2022年3Qに稼働開始予定である。
本プロジェクトは,需要が拡大するアジアのLNG市場において,エリオットブランドの向上に大きく貢献した。
サブマージドモータクライオポンプは,密閉されたタンク内での低温使用を想定し,タンクの底部付近の吸込バルブに着座するように設計されており,ポンプの重量で吸込みバルブが開くとポンプがLNGタンクのカラム内へ液の充填を開始し,カラム上部のタンク液面まで充填される構造となっている。
図1 エリオットクライオダイナミックス高圧ポンプ Fig. 1 Elliott Cryodynamics High-Pressure Pumps
[エリオットグループ]
エリオットグループは,石油精製・石油化学プラントのプロセスガス圧縮機駆動用に12台の多段蒸気タービンをアジア向けに出荷した。
図1は,中国向け遠心式圧縮機駆動用多段抽気復水蒸気タービン(型式 SNV-14)の連結機能試験の様子である。
本多段蒸気タービンはバーリフトタイプのマルチガバナバルブを備える大出力復水型タービンであり,回転数制御によって圧縮機の幅広い運転レンジに対応することができる。近年のプラント大容量化に対応した高圧ケーシングを採用している。また,排気ケーシングとして105インチケーシングを採用している。
図1 中国向け多段蒸気タービン 連結機能試験(型式 SNV-14) Fig. 1 String Test of Multi-stage Steam Turbine for China (Model SNV-14)
[エリオットグループ]
2021年,エリオットグループは合計55台の圧縮機を出荷した。内訳は遠心式多段52台,遠心式単段3台である。仕向け地別では,アジア向け47台,北南米向け5台,ヨーロッパ向け3台となる。
図1は中国向けで新設されるエチレンプラントの分解ガス圧縮機(Cracked Gas Compressor)の連結機能試験の様子である。(型式 70MD2-2+70M4I+56M3/4I)。“M”型圧縮機のケーシング構造は水平分割であり,中低圧の用途で取り扱うガスの分子量が比較的大きい場合に採用される。図1の圧縮機は分解ガス圧縮機として分解炉で熱分解されたナフサ及びガス・オイルなどの炭化水素をガス分留装置に送り込むために使用される。分留装置では石油化学基礎製品(エチレン,プロピレン,ブタジエン,ベンゼン,トルエン,キシレンなど)に仕分けされ化学製品になっていく。このため本圧縮機はエチレンプラントの基幹機器であるといえる。
図1 中国向け遠心多段圧縮機連結機能試験(型式 70MD2-2+70M4I+56M3/4I) Fig. 1 String Test of Multi-stage Centrifugal Compressor for China (Model 70MD2-2 + 70M4I + 56M3/4I)
図2は,インドネシア向け石油精製用リサイクルガス圧縮機(型式 15MB7)の連結機能試験の様子である。“MB”型圧縮機のケーシング構造は垂直分割であり,高圧の用途で取り扱うガスや分子量が比較的小さいガスの場合に採用される。図2の圧縮機は水素化分解装置や水素化処理装置などさまざまな製油所プロセスにて原料をプロセスに回しガスを循環させる用途で使用される。水素化分解装置や水素化処理装置等のプロセスでは高圧高温で石油製品が製造される。このため本圧縮機は石油精製所の基幹機器であるといえる。
図2 インドネシア向け高圧遠心多段圧縮機連結機能試験(型式 15MB7) Fig. 2 String Test of High-pressure Multi-stage Centrifugal Compressor for Indonesia (Model 15MB7)
図1と図2の圧縮機は機能試験で良好な結果を確認後,出荷した。
[エリオットグループ]
豊田浄水場は愛知県豊田市,幸田浄水場は愛知県幸田町に位置し,それぞれの周辺市町へ合わせて320 000 m3/日の水道水を送っている地域の重要施設である。
両浄水場の計装設備の更新に際し,核となる監視制御システム(図1)に,当社が開発し2018年に完成した『EDFrame2』※を納入した。浄水場の運用においては,従来の監視制御システムでは通信等に制約があり対応が難しかったが,EDFrame2によってそれらの問題を解決した。EDFrame2に複数のセキュリティ装置を組み合わせたことで,安全なシステムを構築した。
機器 | 豊田浄水場 | 幸田浄水場 |
PC(サーバ,端末) | 20台 | 16台 |
コントローラ | 10台 | 8台 |
スイッチ | 29台 | 24台 |
セキュリティ装置 | 7台 | 6台 |
監視カメラ | 42台 | 29台 |
制御盤,コントローラ盤等 | 29面 | 23面 |
図1 監視制御システム外観 Fig. 1 System external view
※EDFrameは荏原電産が開発した監視制御システムの商標登録名称である。
代表的な要点を以下に示す。
(1)サーバと複数コントローラとの同時通信が可能となり,コントローラ側の負荷分散を実現した。
(2)トレンドグラフ,保守,警報,操作禁止などの機能をカスタマイズし,付加価値を持たせた。
(3)サーバ,コントローラ,スイッチ,ネットワークを二重化構成とし,耐障害性,冗長性の向上を図った。
(4)UTM(Unified Threat Management統合脅威管理),認証サーバ,サンドボックス等のセキュリティ装置を配置し,機密性,可用性を高めた(図2)。
図2 システム構成概要 Fig. 2 Overview of System diagram
[㈱荏原電産]
風洞設備に納入されている既設送風機(他社製)の更新計画に対し,見積段階から顧客と打合せを重ね,ニーズを反映した見積提案を行うことで受注し,複数の要項点を持つ大型軸流送風機及び付属装置一式を納入した。
製品仕様
機 名:No.38AEM(口径φ3 800 mm)
風 量:18 750 m3/min(大ノズル)
15 000 m3/min(小ノズル)
風 圧:2 941 Pa(大ノズル)/at 20 ℃
3 716 Pa(小ノズル)/at 20 ℃
電動機出力:1 300 kW
特徴
1.既設更新の制約から,送風機前後のダクトや基礎ボルト,電線配管類等の取り合い全てにおいて,既設に合わせた設計を行った。
2.可変速用高圧インバータパネル,電動機を送風機付属品とし,車風速装置の要求機能を満たした。
図1 社内試験時の大型軸流送風機 Fig. 1 Large-scale axial flow fan during factory inspection
[㈱荏原風力機械]
近年,ターボ冷凍機に使用される冷媒は地球温暖化係数GWP1未満でフロン排出抑制法対象外となる新冷媒機が求められている。
RTSA型では低GWP冷媒のR1224yd(Z)を採用した。R1224yd(Z)は運転圧力の低い低圧冷媒のため高圧ガス保安法に該当しないので,導入時や運用上において負担が少なく,運転管理の省力化に適している。RTSA型初号機をプロセス冷却用途で某化学工場に納入した。
仕様
型 式:RTSA083(図1)1台
冷凍能力:618 kW(175.7USRT)
ブライン:-16 ℃→-20 ℃
冷 却 水:30 ℃→35 ℃
特長
(1)低GWP冷媒R1224yd(Z)採用
(2)ブライン出口温度-20 ℃クラス※達成
(※ブライン条件による)
(3)プラント向け特殊対応可能(防爆仕様など)
図1 低GWP低温ターボ冷凍機RTSA型 Fig. 1 Low GWP low temperature centrifugal model RTSA
[荏原冷熱システム㈱]
中国上海市 松江二期ごみ焼却施設に,ストーカ式焼却設備を2021年5月に納入した(図1)。公称施設規模は,設計点1(ごみ発熱量10 047 kJ/kg)で750 t/d×2炉=1 500 t/d,設計点2(ごみ発熱量8 866 kJ/kg)で850 t/d×2炉=1 700 t/dである。荏原グループは,ごみ焼却関連設備の基本設計を行うとともに,焼却炉周りの主要機器を納入した(表1)。
本施設は,荏原グループが中国大陸において納入した31番目の大型ストーカ式焼却炉であり,初の1炉当たり公称850 t/d規模の焼却炉である。また実際の運転では,1炉当たり1 000 t/d以上の焼却量を達成した。本焼却炉の設計,製作,実運転を通じて,1炉当たり1 000 t/d以上のストーカ式焼却炉開発に必要な,知見と実績を得ることができた。
事業主 | 上海環境衛生工程設計院有限公司 | ||
施設名称 | 松江ごみ焼却発電プラント二期工程 | ||
焼却炉 | エバラHPCC型ストーカ式焼却炉 | 蒸気利用※2 | 蒸気タービン発電(55 MW×1基) |
公称処理量:1 700 t/d(850 t/24 h×2炉) 設計最大処理量:1 800 t/d(900 t/24 h×2炉) |
排ガス処理設備※1 | NOx除去方式:無触媒脱硝+触媒脱硝 (SNCR+SCR) |
|
ボイラ※1 | 自然循環テールエンド型水管ボイラ | HCl・SOx除去方式:半乾式+乾式+湿式 | |
蒸発量:101 t/h/缶 | 集じん方式:バグフィルタ | ||
蒸気条件:450 ℃×6.4 MPaG | ダイオキシン類対策:活性炭噴霧 |
図1 松江二期ごみ焼却施設 Fig. 1 Songjiang Shanghai City waste incineration plant (Phase II)
焼却炉:エバラHPCC型ストーカ式焼却炉
処理量:700 t/d(350 t/24 h×2炉)
ボイラ:吊り下げ式竪型ボイラ
蒸気条件:400 ℃×4 MPaG
本施設では,当グループ独自開発の吊り下げ式サポート構造を初めて採用した竪型廃熱ボイラを納入した。吊り下げサポート構造を有するボイラは,自立型のボイラに比べ大型化に適しており,本施設向けボイラの実績によって,さらなる大型ボイラの開発・設計に必要な知見を得ることができた。
図2 興化ごみ焼却施設 Fig. 2 Xinghua City waste incineration plant
焼却炉:エバラHPCC型ストーカ式焼却炉
処理量:500 t/d(500 t/24 h×1炉)
ボイラ:吊り下げ式テールエンド型ボイラ
蒸気条件:450 ℃×6.4 MPaG
本施設では,左記の興化案件に引き続き,当グループ独自開発の吊り下げ式サポート構造を採用したテールエンド型ボイラを納入した。両施設への納入により竪型ボイラ,テールエンド型ボイラの双方について,吊り下げ式サポート技術を確立した。今後幅広いニーズや条件に応じて,最適な形式の廃熱ボイラを提案・提供することが可能となった。
図3 崇明二期ごみ焼却施設 Fig. 3 Chongming Shanghai City waste incineration plant (Phase II)
[荏原環境プラント㈱]
[青島荏原環境設備有限公司]
箕面市環境クリーンセンターは1992年に竣工した施設である。この度「二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金」事業として施設の延命化を図るとともに,CO2の大幅削減を達成しました(図1)。
焼却方式:流動床式連続焼却炉
処理能力:240 t/d(120 t/24 h×2炉)
事業概要(主な更新機器):
①排ガス減温装置をエコノマイザーに変更
②蒸気タービン・発電機更新
③DCS更新
④ボイラ水管大規模交換
⑤ショックパルス式スートブローの設置
⑥低圧蒸気復水器更新
工期:2018年6月29日~2021年3月12日
CO2削減率(保証値3 %以上):33.7 %
図1 施設外観 Fig. 1 Waste incineration facility external view
[荏原環境プラント㈱]
管寄せ内を走行する蛇型ロボットを用いたボイラ水管向け水浸UT装置を開発し,一部商用化を進め,当社が運営を受託している3施設で検査を実施した。
本装置は,管寄せ付属管を切断することなく,多点測定が可能な水浸UT法を使えることが最大の特徴である。
これまでの運用実績から,人による中大型ボイラ内部の定点測定では,測定点数が限られることによる未測定部位の減肉を検知できないといったリスクがあった。本装置は,このような中大型ボイラにおいて,より測定能力を発揮することができる。
仕様
測定対象:ボイラ水冷壁(管内径:φ50.0~68.2 mm)
測定速度:100 mm/sec
測定間隔:10 mm
測定CH数:24 CH
特徴
(1)蛇型ロボットが管寄せ内部を走行し,UTセンサを被検査管内に挿入できるため,従来の水浸UTで必要だった被検査管の切断を不要とした。
(2)多点測定のメリットを生かし,定点測定では把握できなかった減肉部の確認や水冷壁全体の肉厚分布を可視化した。またボイラ水管の余寿命予測精度向上に寄与し,整備計画に活用することができた。
(3)定点測定時に必要だった煩雑な炉内の準備作業(足場組,清掃等)を不要とした。
図1 水浸UT装置外観 Fig. 1 Appearance of inner UT equipment
図2 水冷壁肉厚マップ Fig. 2 Water tube wall thickness mapping
[荏原環境プラント㈱]
近年,一般廃棄物処理施設に対する『新しい価値創造』の要求が高まっている。日本一地域の役に立つ汚泥再生処理センターを目指し『藤枝環境管理センター』(図1)を納入した。
概要
事業方式:DBO方式
処理能力:160 kL/d(し尿5 kL/d,浄化槽汚泥155 kL/d)
処理方式:浄化槽汚泥混入比率の高い脱窒素処理(膜利用)
資源化方式:リン回収(MAP:Magnesium Ammonium Phosphate(リン酸マグネシウムアンモニウム)方式)
建設工期:2018年7月~2021年3月末
運営期間:2021年4月~2036年3月末(15年)
特徴
(1)「地域の方が自由に利用できる」をコンセプトにした管理棟
(2)多目的に利用できる大迫力パノラマシアター
(3)人型ロボットと航空写真によるデジタルサイネージ
(4)3面ガラス張り空間による見学者ホール
(5)Wi-Fi完備でリモートワーク対応の会議室・自習室
(6)放流水を利用した観賞用水槽による憩いのコミュニティスペース
(7)軸摺動式スクリュープレス脱水機により汚泥は含水率70 %以下まで脱水。汚泥焼却後に残渣を外部搬出
(8)リン回収は2塔式リアクタによりMAPを製造。リンの地産地消に向けた取り組みを推進中。
図1 藤枝環境管理センター外観 Fig. 1 Fujieda Environment Management Center external view
[水ingエンジニアリング㈱]
松山衛生事務組合にリン回収設備を有する汚泥再生処理センターとしては,国内最大規模となる処理施設(松山衛生ecoセンター(図1))を納入した。
本施設は,搬入し尿等の直接脱水方式による脱水汚泥の助燃剤化と濃縮分離液からMAP(Magnesium Ammonium Phosphate:リン酸マグネシウムアンモニウム)法によるリン回収を同時に行うPデニライトシステム®を採用し,処理水は下水道放流とすることで,施設のコンパクト化を図った。
概要
処理能力:373 kL/d(し尿32 kL/d,浄化槽汚泥340 kL/d,農業集落排水施設汚泥1 kL/d)
処理方式:前脱水+標準脱窒素処理+下水道放流
資源化方式:汚泥助燃剤化及びリン回収
工 期:2016年2月~2021年3月
特徴
(1)軸摺動式スクリュープレス脱水機により,汚泥は含水率70 %以下まで脱水し,助燃剤化して外部搬出。
(2)2塔式リアクタにより,MAPを安定した回収率と粒径で製造。肥料名称「まつやまリン」の地産地消に向けて,現在は松山圏域・構成市町,農園,地元企業との効果検証を,外部連携する「まつやまリンecoプロジェクト」として推進中。
(3)既存施設撤去跡地に,生物多様性保全の取り組みとして,絶滅危惧種コアジサシの繁殖地を整備し,地域密着型の環境教育活動を推進する「コアジサシ繁殖活動プロジェクト」を実施中。
図1 松山衛生ecoセンター施設外観 Fig. 1 Matsuyama sanitary eco center external view
[水ingエンジニアリング㈱]
秋田市汚泥再生処理センターへ下水道放流量の削減を目的として,新規ユニット型簡易生物処理装置の国内1号機を導入した(図1)。簡易生物処理装置で,し尿等の脱水分離液の処理を行い水質を安定させ,希釈水量及び下水道放流量の削減が可能にできる。また,無曝気型バイオリアクターであることから,維持管理性やコスト面も優れている。
施設概要
施設名:秋田市汚泥再生処理センター
処理方式:直接脱水+希釈下水道放流
処理量:175 kL/d(し尿92 kL/d,浄化槽汚泥83 kL/d)内,処理量の約1/3を簡易生物処理装置で処理
特長
(1)活性汚泥法のような曝気装置が不要であり,低動力で処理が可能。
(2)布状担体に付着した微生物により処理を行うため,汚泥管理が不要。
(3)ユニット型であることから,既存施設への増設や短納期施工が可能。
※BIOGILLはBIOGILL Environmental Pty Limitedの登録商標です。
図1 秋田市汚泥再生処理センター 簡易生物処理装置 Fig. 1 Picture of Simple biological processing equipment
[水ingエンジニアリング㈱]
耐食性自動除塵機として展開しているRS自動除塵機の長所(耐食性部材,省メンテナンス,レーキ逃げ機構によって粗大物流入時も運転継続)を受け継ぎながら,材質や構造を更に見直し,水路内にフレームがない構造を実現した新型耐食性自動除塵機「RSF自動除塵機」を開発した。
「RSF自動除塵機」は水路内フレームレス構造を採用することで,水路幅を有効に活用でき,スクリーン流路面積を大きく確保できるため,ゲリラ豪雨時の水位上昇を緩和することができる自動除塵機である。
釧路市浜町ポンプ場向けに「RSF自動除塵機」を納入し,2021年3月に稼働を開始した。
機器仕様
型 式:耐食性ダブルチェーン式前面かき揚げ型
池 寸 法:水路幅1 200 mm×深さ2 800 mm
スクリーン:目幅25 mm×取付角度75°
特長
(1)自動除塵機本体は耐食性部材を使用しているため,補修塗装等が不要。
(2)水路内はフレームレスとホイールレスのシンプルな構造で,メンテナンスの省力化が可能。
(3)フレームレス構造と目詰まり防止スクリーンの採用によって,通水能力向上。
図1 RSF自動除塵機 Fig. 1 RSF Screen cleaning machine
[水ingエンジニアリング㈱]
半田市バイオマス産業都市構想の実現の中核となる,地域循環ループを形成するバイオガス発電施設(ビオぐるファクトリーHANDA(図1))を納入した。
本施設で利用されるバイオマス資源は,半田市内の牛糞尿や市内及びその周辺地域の廃食品・廃飲料などの有機物等で,未利用の有機性廃棄物を幅広く受け入れることで,食品リサイクル率の向上にも大きく寄与する。
施設概要
施設名称:ビオぐるファクトリーHANDA
処理能力:100 t/d(食品系廃棄物・コーヒー粕・牛糞尿等)
発電量:約17 890 kWh/d
主要設備:中温メタン発酵槽(2 000 m3×1槽)
高温メタン発酵槽(1 600 m3×1槽)
発電設備(MGT)
脱水設備(スライドシャフトスクリュー®)
乾燥設備(DIFFERE-X®)
硝化脱窒処理設備
施設の特徴
(1)中温・高温メタン発酵槽を備え,多様な有機性廃棄物に対応が可能。
(2)バイオガスは,発電機の燃料として全量利用し,電力は再生可能エネルギー固定買取制度(FIT)を利用して売電。
(3)発電機から発生する排熱の一部は場内利用。残りの排熱と排ガス(CO2)は,隣接する植物工場にて利用。
(4)メタン発酵後の残渣は,バイオ液肥として近隣農場にて利用。
図1 ビオぐるファクトリーHANDA外観 Fig. 1 Bioguru factory HANDA external view
[水ingエンジニアリング㈱]
池内を往復動してスラッジを掻き寄せる台車けん引式掻寄機の新製品「ステンレスノッチチェーン台車けん引式掻寄機sweepa!®」を開発した。
従来の台車けん引式汚泥掻寄機は,ワイヤーロープにより台車をけん引しており定期的な張り調整や修繕などの維持管理労力が大きかった。またスラッジの偏った堆積などにより,搔き寄せ台車が蛇行し,レールからの脱線などにより運転不能になることがある。
本装置はワイヤーロープを用いず,立形駆動装置に直結した懸垂型駆動軸を介して耐摩耗性が高いステンレスノッチチェーンで掻き寄せ台車を駆動する方式を取っている。これにより駆動機構が従来型よりもシンプルになり,維持管理性向上・消耗部品長寿命化に大きく貢献している。また池幅方向両サイドのパイプレールに係合したローラにより,台車の蛇行を防ぐ構造としている。
本装置は2020年6月から実際の浄水場に設置され,1年間以上問題なく運転を継続している。
機器仕様
型 式:ステンレスノッチチェーン台車けん引式掻寄機
適用設備:浄水場向け 矩形沈殿池
適用池幅:~15 m
適用池長:~40 m
標準駆動方式:1連1駆動
特長
(1)駆動装置周りをシンプルにし,ステンレスノッチチェーンで掻き寄せ台車をけん引することで,維持管理性・消耗部品長寿命化に貢献
(2)池幅方向両サイドのパイプレールに係合した縦・横ローラにより,搔き寄せ台車走行時の蛇行等を防止
図1 全体構成図 Fig. 1 Perspective view of the system
[水ingエンジニアリング㈱]
レジオネラ属菌は冷却水・温泉・土壌などに分布しており,エアロゾルを吸引することでレジオネラ症を発症する。当社は冷却塔向け抗レジオネラ剤「レジオパンチ®」を有しているが,レジオネラ属菌の検査は外部機関に依存していた。そこで専用の検査室を袖ヶ浦事業所に開設し,検査サービスを開始した。主に荏原冷熱システム株式会社からの依頼を中心に,年間約200検体の冷却水を受け入れている。
本取り組みは,水処理薬品の製品売りではなく顧客にサービスを提供する新たな事例である。レジオネラ属菌は噴水・人工滝などにも存在するため,将来的には冷却水以外へもアプローチを図りたい。また,その他の様々な低病原性微生物についても検査できる体制を整えたい。
特徴
(1)WHO指針に準拠した検査室(バイオセーフティレベル2検査室)。
(2)英国の行政機関(UK Health Security Agency)を通して計3回の検査精度チェックを行ったところ,いずれも精度良好の範囲内に収まった。
図1 レジオネラ属菌の検査方法 Fig. 1 Legionella isolation scheme
[水ing㈱]
藤沢工場ものづくり50年の歴史
1966年頃の藤沢工場
縁の下の力持ち 高圧ポンプ -活躍場所編ー
100万kW火力発電所内で活躍する50%容量ボイラ給水ポンプ
RO方式海水淡水化用大容量、超高効率高圧ポンプの納入
長段間流路内の流線と後段羽根車入口の流速分布
縁の下の力持ち ドライ真空ポンプ -真空と真空技術の利用ー
真空の領域と用途例
座談会 エバラの研究体制
座談会(檜山さん、曽布川さん、後藤さん)
縁の下の力持ち 標準ポンプ -暮らしを支えるポンプー
標準ポンプの製品例
座談会 未来に向け変貌する環境事業カンパニー
座談会(三好さん、佐藤さん、石宇さん、足立さん)
世界市場向け片吸込単段渦巻ポンプGSO型
GSO型カットモデル
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