性別・国籍等によらない多様な人材が、働き甲斐と働きやすさを感じながら荏原グループで活躍するための組織や人材を“One Ebara HR”で育成し、「競争し、挑戦する企業風土」を目指します。
荏原グループは、「チャレンジ精神をもって創意工夫する多様な人材を世界中から獲得し、働きやすい職場環境下での適切な競争や挑戦によって実力が最大限発揮され、公正に評価され、個々の社員が充実し、成長する企業風土を目指す」という人事・人材開発基本方針を掲げています。
この方針のもと、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出し、「グローバルでの持続的成長」を実現するための基盤整備をより加速させ、「競争し、挑戦する」人材を育成し、グローバルモビリティの向上を通じて最適配置をグループ全体で強化していきます。
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学びたい人、挑戦したい人に対して、早期選抜・育成に資する様々な機会を提供するとともに、自らキャリアチェンジを目指せるような仕組みを構築し、適所でモチベーション高く働けるよう支援します。
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海外グループ会社のローカル社員がより重要なポジション(グローバルキーポジション)で活躍するための、グローバルで統一された役割等級制度の導入の推進、グローバル人材育成プログラムの全社展開、国内外のサクセッションの戦略的な実行を推進します。
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リファラル採用、アルムナイ制度を継続するとともに、データドリブンで多様な人材の獲得を進めます。また、多様な人材がより働きやすい環境を提供するために、EBARA New Workstyleの更なる拡大を行います。
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「人材の見える化」をグローバルに加速させるための基盤となる「グローバルHCM(Human Capital Management)プラットフォーム」を構築し、各人事施策の効果を定量的にモニタリングできる体制を構築していきます。
荏原製作所と日本国内の主要グループ会社8社から選出された委員で構成される「荏原グループ人材育成委員会」では、荏原グループの持続的発展を支える人材育成を目的とした研修プログラムの継続的な改善・改良を実施しています。
2017年度の新人事制度導入に伴い、荏原グループ会社の基幹職層(部長職・課長職)へもマネジャーとして必要なスキル・マインドを習得するための研修を実施し、基幹職層を中心としたプログラムの拡充を継続的に実施中です。一般社員層も含めたマインド醸成、スキルアップ等、既存プログラムの更なる充実化にも取り組んでいます。
基幹職とは、管理職のことを指します。
2022年度 研修体系
■階層別プログラム
荏原グループ全体の共通基盤教育と位置づけ、各階層に求められるマインド・スキルの習得を目的とした階層別研修を実施しています。
対象階層 | 研修名 | 研修概要 |
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部長層 | 部長研修 | 事業部門のリーダーとしての意識改革と組織力を高めるスキル開発 |
課長層 | 課長研修 | プレイング志向からマネジメント志向への転換を図るための意識変革、スキル習得 |
新任マネージャー | マネジメント研修 | 現行人事制度の理解、評価者として必要な知識・スキルの習得 |
新入社員のOJTリーダー | OJTリーダー研修 | OJTリーダーの役割の理解とコーチングスキルの習得、実践後のフォローアップ |
特定の役割等級相当 | ビジネスパーソン研修 Advance | 自組織を動かしていく若手リーダーとしての自覚の醸成と行動の実践 |
新卒入社3年目相当 | ビジネスパーソン研修 Basic | 視野を広げ自身の業務の質を上げて主体的に問題解決に取り組む姿勢の醸成 |
新卒入社1年目 | 新入社員フォローアップ研修 | 周囲の期待を理解し職場での実践の言語化 |
新入社員研修 | 荏原グループの現在や目指す方向の理解、社会とのかかわりや自分とのつながりの認識など |
■目的別プログラム
荏原製作所では、次世代経営層(経営者、統括部長・事業部長、部長)の候補者育成に特化した独自の選抜型研修を実施しています。また基幹職手前層のリーダーシップ醸成のため、公募型研修「リーダー創出塾」を2022年にスタートしました。
研修名 | 受講対象 | 目的 |
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次世代経営者育成プログラム | 統括部長・事業部長~部長層 | 経営者候補者の育成 |
ビジネスリーダーB研修 | 部長~課長層 | 統括部長・事業部長候補者の育成 |
ビジネスリーダーA研修 | 課長~基幹職手前層 | 部長候補者の育成、経営の基礎知識の習得 |
リーダー創出塾 | 基幹職手前層 | 基幹職に必要なスキルの習得 |
■特別プログラム
荏原製作所では、白熱的教室と称し、経営層が若手社員との議論を通じ育成を図る、双方向コミュニケーション型研修を実施しています。
研修名 | 受講対象 | 目的 |
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白熱的教室 | 入社2年目社員 | 経営層との交流による多様な考え方の気付き |
メーカである荏原グループにとって、ものづくり現場で働く社員の人材育成は非常に重要です。技術研修センターにて新入社員の教育を行うほか、海外グループ会社の技術者に対する教育及び国内技能検定同等の試験・認定を行うことで、国内外問わず技術の向上に努めています。さらに、OFF-JTを中心とした「安全」「改善」「品質」「工程管理」等、高水準のQCDS(品質、価格、納期や入手性、対応やサポート)を実現できる研修プログラムも構築し、社員の能力の底上げを図っています。
今後は、研修コンテンツをさらに充実させ、改善活動を主導できる人材や高度な技能を持った人材、チームリーダーとしてのマネジメントに長けた人材を継続的に輩出していきます。
中国子会社で技術者開発研修を実施
市場がグローバルに広がることに伴い、荏原グループもグローバルな”One EBARA”を目指し、国や地域の隔たりなくグループ会社間の協業・連携を進めています。基本的に海外グループ会社は現地で人材の採用を推進し、その才能をより活かせるために、国内グループ会社と海外グループ会社の間で、また海外グループ会社間においても、人材の交流を進めています。
具体策として、国内の若手社員を海外に赴任させる制度があります(2019年には15名が赴任)。また、海外グループ会社の人材を日本に出向させるケースも増加しています(2019年に7名が出向)。
今後もより交流を深めるため、人材の選定や異動時の就業条件の決定、就業環境の整備など、各種人事インフラの整備と改善を進めていきます。
「会社の持続的成長」と「従業員の満足度向上」の両立により、従業員が5年後、10年後も働いていたいという会社を目指します。その実現に向け、荏原グループのすべての事業・部門の業務効率と生産性を上げるべく、以下の3つの課題を掲げて取り組んでいます。
業務改革と意識改革による生産性向上
個人の能力及び自立性の成長支援
就業環境整備と多様な働き方の検討
主要な国内グループ会社で、1人当たり年間平均総労働時間をKPIと定め、目標を2020年度12月末までに1920時間以下としました。
2018年4月に社長を委員長とする働き方改革委員会を設立、また、改革の専門部署を設置し、KPI目標達成に向けた業務効率を上げ、生産性を高める働き方に向けた施策に取り組んでいます。
荏原グループ経営者及び基幹職※を対象に、従業員1人ひとりの事情に応じた職場マネジメントや、女性従業員をはじめとしたダイバーシティ推進に関する理解促進を目的とした研修を行っています。
荏原グループ経営者に対しては、外部講師による講演(2015年度「経営戦略としての女性の活躍推進」、2016年度「人材の多様性を活かす組織改革」)を実施しました。
また、基幹職に対しては外部講師による講義とグループワークを通じて、ダイバーシティマネジメントに関する理解を深めています。
※基幹職とは、管理職のことを指します。
荏原グループ経営者研修
上級管理職研修
多様性の取り組みについて
あるべき姿の会議を目指し、会議ルールを定義し、ファシリテーションスキルの習得、会議環境整備に取組んでいます。
ファシリテーション研修の様子
国内拠点の全会議室にWeb会議システム・モニターに加え、多様な業務にマッチした打合せコーナーを設置し、環境整備を進めています。また、サテライトオフィスは移動時間の削減と効率的な働き方を実現しています。
テレワーク・デイズ(特別協力団体として参加)やスムーズビズに参加し、社員がテレワークを体験する機会を設けています。また、その実施に向け、社員にWEB会議の実施、業務計画・実績の可視化や書類の電子化などを推進しています。
荏原グループは、労働条件に関する各国の法令や規制に遵守にしたビジネスに取り組んでいます。推進施策として、日本においては、2019年度に新しい勤怠管理システムを導入しました。従業員のパソコンの電源稼働時間を記録することで、勤務時間の管理を向上させ、労働基準法の遵守、過剰な労働時間の抑制を可能にします。
また、多様な従業員がそれぞれの実力を最大限に発揮できる、働きやすい職場環境を整え、ワーク・ライフ・バランスが実現できる諸制度を設けています。
制度 | 制度の内容 |
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時間単位有給休暇制度 半日有給休暇制度 |
1時間単位/半日単位で有給休暇を取得できる制度。 |
時差出勤制度 | 遠距離通勤の従業員や、短時間勤務制度を利用しないで育児・介護と仕事を両立させたい従業員が利用できる制度。 |
短時間勤務制度 | 育児・介護をしながら職業生活と家庭生活との両立を図れるよう、一日につき最大1時間45分、勤務時間を短縮できる制度。育児短時間勤務については対象の子が小学校在学中まで適用範囲を拡大しています。 |
退職者リターン制度 | ライフイベント等の一定のやむを得ない理由で退職した従業員を、会社が必要としている場合に再雇用する制度。 |
子の看護休暇 | 負傷、疾病にかかった子の看護や予防接種、健康診断の受診等のために1年間で10日間を限度として「子の看護休暇」を取得できる。子が2人以上の場合、小学校就学前の子の看護をするためであれば、5日間まで追加で取得することも可能。 |
育児休暇制度 | 通常の有給休暇制度の他に、育児や介護のための休暇制度を設けています。 |
介護休暇制度 | |
在宅勤務制度 | 育児・介護をしながら職業生活と家庭生活との両立を図れるよう、柔軟性の高い就業環境の整備の一環として自宅または会社が認めた場所で勤務ができる制度を設けています。 |
ボランティア休職・休暇制度 | ボランティア活動を実施するにあたり、支援し奨励するために休職・休暇制度を設けています。 |
《介護セミナーの実施》
2017年度は、仕事と介護の両立支援を目的に介護セミナーを実施しました。セミナーでは、働きながら介護をするコツと当社の介護支援制度の利用時のポイントについて説明しました。セミナーに参加できなかった従業員へのフォローとして、セミナーの様子を収めたDVDの貸し出しをしています。
この他に、「介護両立支援制度活用マニュアル」を作成しイントラネットで公開しています。
「社会」に関連するデータ
荏原製作所は、2017年に基幹職(管理職層に相当する人材)、2018年に組合員に役割等級制度を導入しました。これにより「年功序列」の人事管理ではなく、属性に拠らない、グローバルで通用する“実行した仕事・役割による処遇”を実現できるようになりました。
また、「総合職」「一般職」等の職群をなくし、社員の意欲と能力に応じてレベルの高い業務にチャレンジすることを可能にしました。
若手人材の育成を目的とした「リーダーA研修」では、これまでの公平・平等な人材育成から早期選抜型へシフトし、経営者候補としての厳選された人材プールの構築を行ってきました。受講者の平均年齢は5年前の41.2歳から35.5歳となり、2005年のスタートからこれまでの受講者数は、約270名に達しています。
年度ごとにMBO評価とプロセス評価(基幹職社員)、行動評価(組合員層)を実施し、期中及び期末のレビューを通して、マネジャーと目標の進捗や結果を確認しています。
被評価者は、評価者であるマネジャーに自己評価を申請し、公平・公正な結果となるように最大3階層の評価者がチェックを行い、最終評価を決定するプロセスを採用しています。
2018年には、国内グループ会社で働く9,000人を対象に従業員意識調査を実施しました。また、2019年には初めて全世界の荏原グループ従業員を対象とした、グローバルエンゲージメントサーベイを行い、マネジャー層には結果を開示し、各組織毎の課題改善に向けた取り組みを行っていく予定です。
荏原グループは組合の団結権、団体交渉権および組合活動の自由を、組合は経営権が会社にあることを相互に尊重し、会社の発展とより良い就業環境の整備を目指し、活発な議論を行い、良好な労使関係を築いています。
協議の結果は従業員に対して速やかに伝達し、労使双方の考え方や合意事項を全社で共有できるようにしています。
当社国内グループでは年3回の定期的な労使協議(春闘、夏闘、秋闘)に加え、四半期毎に決算労使協議会を開催し、労使関係の円滑な運営を図っています。
また、会社は労働協約、就業規則を尊重し、従業員誰もが公正・公平な環境で就業できていることを定期的に労使で確認しています。
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